旭化成、黄金期を予感させるニューイヤー駅伝優勝

2018年1月2日 13:42

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■盤石のレース展開を見せた旭化成

 1月1日、実業団日本一を決める大会、ニューイヤー駅伝が行われた。結果は旭化成が2連覇を達成し、史上最多となる23回目の優勝を飾った。旭化成は5区村山、双子の市田兄弟がともに3区、6区で区間賞を獲得し盤石のレース展開を見せ総合優勝を獲得した。

 その他2区キャプシスが区間3位、4区大六野が区間5位、7区鎧坂が区間2位と無難にまとめ旭化成の黄金期到来を予感させる圧巻の内容だった。

 特に5区村山は、2位ホンダと同時にタスキを受けるといきなり引き離しにかかった。結局そこでできた差をホンダの山中は詰めることができず、リードを保ったまま6区市田にタスキリレーした。同時にタスキを受けた場合は、じりじり離していくか終盤のスパート勝負になることが多いが、村山は一気に力の差を見せつけた。

■ホンダ、設楽悠太の存在

 総合優勝は旭化成だったが、今回のニューイヤー駅伝で一番ファンを沸かせたのは間違いなくホンダの設楽悠太だろう。12位でタスキを受けると序盤からハイペースで前のランナーを追った。オーバーペースと思われたが、結局最後までスピードを維持し、最終的には1位の旭化成と並び秒差無しでタスキを渡した。

 最長区間であり、リオオリンピック出場を果たした井上大仁らエースが集う区間であったが、設楽だけ異次元の走りを見せた。井上もごぼう抜きをし、他者と力の差を見せつけるも、設楽はその井上を30秒以上も上回るタイムで次の走者へ。日本長距離界に明るいニュースを届けることになった。前回11位のホンダだったが、この設楽の力走により最終的には2位に躍り出た。「もう一人区間賞を獲れるランナーがいたら」という所まで来ているため、悲願の初優勝も夢ではなくなった。

■他チームの状況

 一方、「駅伝王者」と言ってもいいであろう存在のコニカミノルタや、戦力が充実している日清食品は振るわなかった。コニカミノルタは序盤でいい位置に付けたかったが1区宇賀治、2区ムワンギが流れを作れなかった。結局最終区まで大幅に順位を上げることはできず、最終区は山の神・神野が控えていたが、神野も何度もスパートをかけるも並走しているランナーを引き離すことはできずに区間12位と振るわない結果で、コニカミノルタは最終的には7位で終わった。

 村澤、佐藤を要する日清食品も上位が期待されたが、4区村澤が区間12位、7区佐藤が区間3位と目を見張る活躍はできず、15位で終わった。

 逆にトヨタ自動車、トヨタ自動車九州、DeNAらが上位常連となり実業団駅伝の勢力図は変わったと言っていいだろう。

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