ドコモとフジクラ、世界初となる新型燃料電池の実用化に向け共同実験

2017年12月21日 05:43

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ソーラーパネルを使用したグリーン基地局(写真: NTTドコモの発表資料より)

ソーラーパネルを使用したグリーン基地局(写真: NTTドコモの発表資料より)[写真拡大]

 NTTドコモとフジクラは20日、世界初の新型燃料電池実用化に向け、ドコモのグリーン基地局にて行う共同実験の契約を結んだと発表。新型は直接メタノール型燃料電池方式、定格電力1kWの燃料電池で、より小型かつ長時間の発電が可能だ。

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 フジクラが新規開発を進めているこの新型燃料電池は空気中の酸素とメタノールを化学反応させ高確率に電気を起こす発電機であり、有害物質は発生しない。静粛性にも優れている。

 そして大型で定置型の従来品に比べ本体サイズは20分の1以下と小さく、持ち運びもしやすい。そのため狭い場所やビル上の小さな基地局へ設置でき、災害発生時に被災地へ緊急搬送することもできる。

 加えて基地局に用いる場合の運用時間も、一定条件下においてこれまでの3日間より長い4日間となる。これにより災害時に停電などが発生した際の更なる活用が見込める。更にドコモが開発中のソーラーパネル搭載のグリーン基地局、いわば太陽光発電を利用した環境に優しく災害に強い基地局と連携させれば、1週間以上運営できるとされている。

 グリーン基地局であれば災害が発生して基地局への電源が供給されにくくなった場合でも太陽光発電単独で運用できるため、日中の携帯電話通信は確保される。また太陽光発電ができない夜間などに備えて燃料電池も用意されている。

 今回の共同実験は、その燃料電池をより優れたものにする試みといえる。高知県のグリーン基地局で、上述の性能をテストする予定だ。期間は2017年12月20日から2018年9月30日まで。

 東日本大震災以降、長時間のバックアップ電源を備えた通信設備のニーズは高くなった。バックアップ電源には自動車のバッテリーなどに使われている鉛蓄電池が一般的に利用されているが、蓄電池容量の都合から大きくなり過ぎる体積と重量に課題が残る。それを克服し得るのが燃料電池だ。両社は今後も研究を続けていくという。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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