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パナソニック子会社、介護職に「時間制正社員」導入 業界初
(画像: エイジフリーの発表資料より)[写真拡大]
パナソニックの子会社で介護事業を行うエイジフリーは22日、介護職を対象にした時間制正社員制度を2018年4月から導入すると発表。1年以上勤務したパートタイマーが希望すれば、時給制で無期雇用の正社員になれる制度だ。勤務時間は週20時間以上から選べる。同社によると、この制度導入は業界では初めてという。
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時間あたりの賃金は月給制の正社員と同水準となり、退職金制度も適用される。これまでパートタイマーの賃金は地域の相場水準に評価を加えて決定されてきたが、それが正社員と並ぶレベルにまで上昇し、かつ時間単位で退職金ポイントが付与される形になった。
また退職金制度と同様、パートタイマーにはなかった福利厚生制度も適用されるようになる。ちなみに時間制正社員から正社員、正社員から時間制正社員になることも可能。そのため、何かの事情があって立場を変えても、キャリアが中断されることはない。
例えば出産を経て育児をする女性がパートタイマーとして働き、あるとき正社員になった場合、現状では賃金、待遇が大きく変わってしまう。さらに、親の介護などの事情から再度パートタイマーになれば、高まった能力や経験に関わらず処遇は以前の水準に戻る。
そうなると、その人の能力、経験に応じて続くはずのキャリアは途切れ、雇用される人材がモチベーションを維持できない可能性もある。
しかし、時間制正社員制度を導入すればライフステージに応じて立場を変えながら、能力や経験レベルに合ったキャリアを連続して形成できる。そうして長い間安心して働ける環境を整備することで、従業員の定着率、満足度を高める狙いだ。
内閣府の2017年版高齢社会白書では、65歳以上の高齢者人口3,459万人、総人口に占める割合27.3%という現実が示されている。しかもその割合は今後上昇し続け、2025年には30%を超える見込み。にもかかわらず介護職員の数は不足している。
厚生労働省の2025年に向けた介護人材にかかる需給推計によると、2025年度に必要とされる介護職員数が約253万人なのに対し、供給は約215万人。約38万人も足りない。そのうえ離職率も他産業を上回っている。
厚生労働省所管の介護労働安定センターの調査では、介護業界の離職率は2015年10月からの1年間で16.7%と、全産業平均である15%よりも高め。このような状況を変えるべく、エイジフリーは制度導入に踏み切ったとみられる。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る)
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