ロシアワールドカップ予選、明暗が分かれたヨーロッパプレーオフ

2017年11月15日 06:21

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■1敗に泣いたイタリア

 サッカーのロシアワールドカップ予選で、イタリアが60年ぶりに本大会出場を逃すという大波乱が起こった。ホーム&アウェー方式で行われるプレーオフの相手はスウェーデン。スウェーデンが誇る世界最高峰のストライカーであるイブラヒモビッチが出場しないことで、イタリアが有利になると思われた。しかしスウェーデンのホームで行われたプレーオフ初戦は0-1で敗れ、崖っぷちに追いやられた。

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 後がないイタリアは、ホームの観客の後押しを背にテンポよくパス回しをした。ボール支配率75%という驚異的数値を叩き出しスウェーデンを圧倒した。それでも最後の最後までゴールをこじ開けることはできず、2試合で1得点も出来なかった。

 更に、ベンチワークも最悪だった。試合が終盤に差し掛かろうという時、守備に定評があるデ・ロッシがベントゥーラ監督からウォーミングアップを命じられた。デ・ロッシは激高し、FWの選手を投入するよう直訴した。確かに不可解な指令ではあったかもしれないが、監督にもきっと何らかの意図があったのだろう。最後まで一枚岩になることは出来なかった。

 ヨーロッパ予選のグループリーグで敗れたのは、スペイン相手の1試合のみ。しかしそこを落とさなかったのがスペインであり、落としてしまったのがイタリアということなのである。

■北アイルランドの悲劇

 プレーオフは歓喜に酔いしれるチームもあれば悲劇に打ちひしがれるチームもある。北アイルランドの敗退はまさに悲劇と言っても過言ではない。スイスと対戦した北アイルランドは、イタリア対スウェーデンと同じく、2試合合計0-1で敗れた。しかもその1点はPKによるものだ。

 スイスのエース、シャキリの放ったシュートがディフェンスに当たった際、主審はハンドとみなしPKを与えた。ところが何度もリプレイがなされたが当たっていたのは脇のあたりで腕ではなかった。しかしそこで入った1点がワールドカップの出場と予選敗退の境界線を作ってしまったのだ。称えたところでどうしようもないことだが、強豪スイスを追い詰めた北アイルランドには敬意を払いたい。

■スウェーデンとスイスに期待

 そしてスウェーデンとスイスでは是非イタリアや北アイルランドの分まで頑張って旋風を巻き起こしてほしい。スウェーデンはイタリアだけでなく、グループリーグでオランダも葬ったチームである。簡単に負けてしまえば、やはりイタリアとオランダが弱かったのだということになってしまう。そうならない為にも本選でも活躍を願いたい。

 スイスも「PKを与えられなかったとしても俺たちは勝てた」という試合運びを本選で是非見せつけてほしい。

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