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水素協議会、2050年までにエネルギー需要の2割を水素が担う
「Hydrogen, scaling up(水素市場の拡大)」(写真:トヨタ発表資料より)[写真拡大]
トヨタは14日、グローバルリーダーがCOP23のためボンで会合を行う中、水素協議会の名の下に様々な業界の18名のリーダーが集結し、マッキンゼーの協力により、世界初となる水素利用の具体的なビジョンを公表したと発表した。
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世界の注目が電気自動車へと向かう中、更なる地球温暖化に歯止めをかけるべく、水素協議会が水素社会の効果を発表。CO2削減や地球温暖化の抑制のみならず、経済的な効果にも言及した。
2050年までに水素利用はエネルギー消費量全体の約1/5を担うことが可能。これにより、CO2排出量を、現状比で年間約60億トン減らすことができ、地球温暖化を2度までに抑えるために必要なCO2の削減量の約20%を担うとの試算だ。
このビジョンでは、水素がエネルギー移行の主軸の一つであることに加えて、2.5兆ドルに相当するビジネスと3,000万人以上の雇用を生み出せる可能性にも言及した。
●水素協議会とは
水素協議会は1月17日、エネルギー・運輸・製造業の世界的なリーディングカンパニー13社で発足。水素を利用した新エネルギー移行に向けた共同のビジョンと長期的な目標を提唱するグローバルなイニシアチブだ。
現在のメンバーは28社。18の企業(Air Liquide、Alstom、Anglo American、Audi、BMW GROUP、Daimler、ENGIE、General Motors、本田技研工業、Hyundai Motor、岩谷産業、川崎重工業、Plastic Omnium、Royal Dutch Shell、Statoil、The Linde Group、Total、トヨタ自動車の各社)と、10のバリューチェーン上の企業(Ballard、Faber Industries、Faurecia、First Element Fuel (True Zero)、Gore、Hydrogenics、三菱商事、三井物産、Plug Power、豊田通商の各社)からなる。
水素協議会メンバー企業の収入は合計で1.3兆ユーロ、200万人以上の雇用を創出している。
●水素利用ビジョンの要旨
水素に関するビジョンを明確化するため、「Hydrogen, Scaling up(水素市場の拡大)」とのタイトルの調査報告を発表。水素の本格的な普及とエネルギー移行についてのロードマップを設定。このロードマップに沿って、水素社会の実現を目指す。
水素ビジョンの要旨はこうだ。エネルギー需要の18%を水素が担う。年間60億トンのCO2排出量を削減し、年間2.5兆円のビジネスと3,000万人以上の雇用を生む。
2050年までに、水素利用はエネルギー消費量全体の約1/5を担うことで、地球温暖化を2度までに抑えるために必要なCO2の削減量の約20%を担う。
水素需要に関しては、2030年までに1,000万台から1,500万台の燃料電池乗用車が、50万台の燃料電池トラックが走ると試算。他産業でも水素の需要はあると見込む。
このような水素大量導入には、大がかりな投資も必要だ。年間で200億ドルから250億ドル、2030年までの累計では2,800億ドルと試算。この投資も、長期間の安定した政策的なインセンティブや適切な規制の枠組みがあれば、投資家にとって魅力的だと強調。
現在世界中で、毎年1.7兆ドルがエネルギー分野に投資されている。その中には、石油・ガスの6,500億ドル、再生可能エネルギーの3,000億ドル、自動車産業の3,000億ドルがある。
発表の中で、水素協議会は改めて、投資家、政策立案者、ならび各企業に、エネルギー移行に向けて水素導入を加速するよう呼びかけた。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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