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東京五輪マラソン日本代表への争い
■全日本駅伝を制した神奈川大学
5日に行われた全日本駅伝は、神奈川大学が5時間12分9秒という好記録で制した。前年度覇者の青山学院大学と出雲駅伝覇者の東海大学という2強を抑えての勝利にマスコミは早くも神奈川大学のスターを追った。そのスターがアンカーを務め逆転優勝の立役者となった鈴木健吾だ。神奈川大学自体の前評判は低くはなかったものの、上記に挙げた2校からは劣っていると見られていた。
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しかし、神奈川大学は全ランナーの奮闘が光り、20年ぶりに一番で伊勢路を駆け抜けた。特にアンカー鈴木健吾の存在感は別格であり、早くも「東京マラソンの日本代表候補」に躍り出た形となった。
■楽観視しすぎな感が否めない
とは言え今回の結果を踏まえての20年東京オリンピックの「日本代表候補」は明らかに楽観視しすぎだろう。確かに鈴木の走りは素晴らしかった。全日本駅伝だけでなく、正月に行われた箱根駅伝でもエースが集う2区で区間賞を獲った。そういった意味では今日本人大学生で一番実力のある長距離ランナーと見てもいいだろう。
それでもまだまだ足りない。実際、今回の全日本駅伝でも実は山梨学院大学の留学生D・ニャイロには及ばず区間賞は取れていない。加えて22年前に当時早稲田大学のエースだった渡辺康之氏が出した記録にすら遠く及んでいないのだ。ここから1段2段などではなく10段くらい自分を高めなければ世界には太刀打ちできないだろう。
■ここ数年で光ったランナー
ここで今一度振り返ってもらいたい。近年大学駅伝を賑わせ、「こいつは将来日の丸を背負う存在になるだろう」と思われた各世代のエースは毎年2~3人は出現している。佐藤悠基、村澤明伸、設楽兄弟、村山兄弟、大迫傑、服部勇馬らはまさにそういう存在になるだろうと思われていた。
しかし、未だ誰もマラソン日本記録を破ることが出来ずにいるのだ。世界記録はどんどん更新されているため世界との差は開く一方だ。まずは日本記録の更新。彼らにはこれが世界と戦うための必要最低条件だととらえてほしい。
個人的な意見だが上記に挙げた佐藤、大迫、村山兄弟、服部はスピードを持っている。村澤、設楽兄弟、鈴木は強さを持っている。世界で戦うためには「速い」だけではだめ、「強い」だけでもだめ。この両方を兼ね揃えないといけない。はっきり言ってここからがサバイバル。外部の「日本代表候補」などという声に惑わされずライバルのいいところを吸収し、さらなる飛躍を遂げてほしい。
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