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タクシー配車サービスの中国「滴滴出行」、第一交通と組み日本進出か
ブルームバーグは10月30日、中国最大のタクシー配車の滴滴出行(ディディ)が、第一交通と組み来春よりサービスを開始すると報じた。
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今回の報道は、タクシー配車サービス大手ディディの日本進出である。中国市場で、同じく自動車のシェアサービス大手である米国ウーバーを退け、トップシェアを射止めての進出である。日本のタクシー業界の営業収入は、16年度は1兆7,230億円といわれ、国内の配車アプリとの競争激化の中、どれだけ食い込むかが注目される。
●配車サービスとは
配車サービスは、スマホアプリ上で乗車場所を指定するとタクシーが迎えに行く仕組み。タクシー待ちの行列に並ぶ必要がなく、車両の到着時間や料金の目安を確認し、利用後のネット決済も可能である。
スマホ配車アプリを提供するDeNAによれば、アプリの成功条件は以下のようである。
・迎え時間が7分以内であること(地域の半数のタクシーがアプリに対応)
・加入するタクシー会社が同じメリットを持つこと
・売り上げが上がる仕組みであること(投資を回収できる)
・ドライバーにとって使い勝手が良いこと
・従来の商習慣やインフラ(無線、料金メータ)との整合性があること
●配車アプリの例
JapanTaxiは、業界最大手・日本交通の5,000台のタクシーをバックボーンに、日本一のタクシー配車アプリ「全国タクシー」を運営。既に47都道府県・全国のタクシーの15%をカバーするという。
DeNAも、AIを活用したタクシー配車アプリ「タクベル」の実用実験を横浜市と神奈川県タクシー協会の協力の下、9月12日から10月31日まで実施。AIを用いてタクシーの需要予測も可能という。
その他にも、東京専用タクシーを扱う「スマホdeタッくん」などがある。
●ディディとは
ディディは、中国のタクシー配車サービス企業であり、新興企業価値は世界第2位の500億ドルという。配車アプリを中国では4億人が活用するとの情報もある。
これまで提携や投資を通じて、インドのOla、東南アジアのGrab、アメリカのLyft、ブラジルの99など世界中の主要プレーヤーを網羅するグローバルな配車ネットワークを構築してきたという。
ディディは自動運転車の研究所をアメリカに開設。その将来性への期待からか、出資している会社は、アリババ、テンセント、アップル、ソフトバンクが名を連ねる。
●ディディが日本上陸
先ず、ディディのアプリを使い慣れた中国人観光客向けに、中国語で提供される予定との情報がある。中国本土で使い慣れたアプリでタクシー配車は魅力的であろう。アプリで行き先も指定してあれば、言葉の壁もなくなり、運賃の支払いも今まで通りだ。
第一交通の狙いは、中国人観光客の取り込み以外に、中国人観光客をめぐる「白タク」行為の抑止もあるようだ。日本では禁止されている行為も、友達の送迎か白タクかは見た目ではわからない。
ディディの日本人乗客への戦略は、日本上陸が正式に報じられるまで待たねばならないのであろう。(記事:小池豊・記事一覧を見る)
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