セブン&アイ、ネット通販「オムニ7」との融合で7期連続増益を目指す

2017年10月16日 20:58

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 セブン&アイ・ホールディングスは12日、アスクルと提携して生鮮食品のインターネット通販「IYフレッシュ」を11月から開始すると発表した。あわせて、セブン&アイが運営する「オムニ7」とアスクルが運営する「LOHACO」の間で、インターネット通販の相互送客をスタートする。

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 セブン&アイは、1920年、伊藤雅俊名誉会長の叔父が浅草に開業した「羊華堂洋品店」に始まり、コンビニ事業を発展させ、その後そごう(1830年古着屋『太和屋』として創業)と西武百貨店(1940年西武鉄道が百貨店部門を創業)を傘下に収め巨大流通企業となった。

 コンビニエンスストア、スーパー、百貨店、専門店、銀行、ネット事業など多彩な業態をカバーし、流通サービスの可能性を広げて発展していくセブン&アイの動きを見てみよう。

■前期(2017年2月期)実績
 前期実績は、営業収益5兆8,356億円(前年比97%)で、営業利益は6期連続増益の3,645億円(同104%)であった。海外比率31%の中、前年に比較して大幅な円高(1ドル121.1→108.8円、1元19.2→16.4円)により、営業収益で2,109億円、営業利益で75億円の目減りがあったことを考慮すると実質増収増益であった。

■今期上期(2018年2-8月)実績と今期(2018年2月期)見通し
 上期実績は営業収益2兆9,871億円(同104%)、営業利益は1,944億円(同107%)であった。

 今期見通しは営業収益6兆1,000億円(同105%)、営業利益は3,865億円(同106%)で7期連続の増益を見込んでいる。

 グループ総合力の強化を目指して、「オムニ7」でネットと店舗を融合して、消費者と結ぶオムニチャネル戦略を推進するセブン&アイの動きを見てみよう。

■セグメント別上期営業利益と今後の進め方
 1.国内コンビニエンスストア(ハワイ・中国含む)事業 1,310億円(前年比104%)

 業界の再編が進む中、カフェラテの導入、弁当・冷凍食品の充実など食の外部化への対応を図ることにより、年々シェア拡大(2006年34.0%→2016年42.7%)し、今後シェア50%を目指す。

 2.海外コンビニエンスストア(米国)事業 334億円(同102%)

 米国セブンイレブンの2005年子会社化以来、フレッシュフードの強化などにより全店平均日販をふやし、フランチャイズ化を進めてきた。さらに既存店4,450店に対し、米国連邦取引委員会の認可が下り次第、Sunoco LP社の1,108店(商品・ガソリン販売店)を買収する予定である。

 3.金融関連事業(銀行・カードなど)事業 258億円(同100%)

 日々来店する2,200万人の来店客へ新しい決済サービスを提供するため、小売り現場と一体となった金融サービスを創造する。

 4.その他構造改革推進事業

 専門店事業(主にニッセン改善推進中) 8億円(前年より52億円改善)
 百貨店事業(イトーヨーカ堂、そごう、西武) 8億円(同22億円改善)

 リアル店舗とITを融合して消費者と結ぶオムニチャネル戦略により更なる成長を図るセブン&アイの動きを見守りたい。(記事:市浩只義・記事一覧を見る

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