イエレンFRB議長の講演を控えた10月4日のドル円為替

2017年10月4日 11:00

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 週末にかけて予定されているイエレンFRB議長のコメント、9月雇用統計に向けて市場はやや様子見ムードだ。しかし本日は雇用統計への相関が強いとされる9月ADP雇用統計、12月追加利上げへの材料となるだろう9月ISM非製造業景気指数が発表される。為替相場が大きく変動する可能性も充分に考えられる。

 9月ISM製造業景気指数が事前予想を大幅な上回るポジティブサプライズだったことをうけてドルは堅調な動きを見せた。9月3日14:20(すべて日本時間)ごろには1ドル113円19銭の上値をつけている。その後は反発でドルが売られるシーンもあったが、18:15ごろには1ドル113円14銭まで回復、21:45ごろにも1ドル113円13銭をつけていたが、長期債券利回りの低下に引きずられる形でドルも下がっていき、日付の変わった4日0:10ごろには1ドル112円69銭までドルは売られた。10:00ごろには1ドル112円51銭の下値をつけている。

 3日は重要な経済指標の発表はなく、話題としては次期FRB議長に集まった。2018年2月で任期満了となるイエレンFRB議長の再任の可能性もあるが、トランプ大統領やムニューシン財務長官の動きではケビン・ウォーシュ元理事か、ジェローム・パウエル理事の可能性が高まっている。タカ派のウォーシュ元理事よりも、どちらかというとハト派寄りのパウエル理事をムニューシン財務長官は推しているようで、この報道が長期債券利回りを低迷させている原因の一つと考えられている。

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 ドルの上値を限定的にしているのは地政学リスクの影響もある。10月10日には朝鮮労働党創建記念日が予定されており、水爆の実験や弾道ミサイルの発射が懸念されているからだ。トランプ大統領は強気な姿勢を崩しておらず、予断を許さない状態だ。

 本日は21:15に9月ADP雇用統計、23:00に9月ISM非製造業景気指数そして日付の変わった5日の4:15ごろからイエレンFRB議長の講演が予定されており、12月の追加利上げは実現するのか、こちらも注目を集めている。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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