米Google、捜査令状により米国外サーバーのデータ開示の姿勢か 司法省が主張

2017年9月18日 23:02

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記事提供元:スラド

Microsoftが米国外のサーバーに保存したユーザーデータに対する米国の捜査令状の有効性が争われている裁判で、米司法省はGoogleが令状に従う姿勢を見せていると連邦最高裁への提出文書で主張している(司法省の提出文書: PDFArs Technicaの記事The Registerの記事)。

この裁判では企業が米国外のサーバーに保存したユーザーのデータに対し、Stored Communication Act(SCA)に基づく米国の捜査令状で企業に開示を要求できるかどうかが争点となっている。ニューヨークの下級判事連邦地裁判事は文書提出命令と同様のものだとして開示義務があるとの判断を示したが、2審の連邦第2巡回区控訴裁判所は米国外のサーバーに保存された電子的通信内容に対し、SCAは捜査令状の発付を認めていないとの判断を示し、この判断を第2巡回区控訴裁判所全法廷でも支持している。

第2巡回区控訴裁判所の判断が出て以来、GoogleやYahooなどの企業は米国外のサーバーに保存したユーザーデータの開示を拒否しているが、第2巡回区以外の巡回区では地裁判事や下級判事が捜査令状無効の訴えを認めないケースが相次ぐ。司法省によれば、Googleは既存ケースで上訴の姿勢を見せる一方、第2巡回区以外で新たに発布された捜査令状には従うことを当局に伝えているという。

これに対しGoogleは第2巡回区控訴裁判所の判断に今後も従うとし、他の巡回区の地裁判事が第2巡回区での判断と異なる判断を示した場合には法の一貫性を保つため上訴するとのこと。また、犯罪の捜査で必要な場合に米国外のデータも開示できるようにする法改正案を支持しているとも述べている。

連邦最高裁の判断が出るか、法律が改正されるまでは同様の係争が続くとみられるが、連邦最高裁は米政府の上告を受理するかどうか回答していないとのことだ。

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