『こち亀』に新作エピソード 連載終了1年ぶりにジャンプで掲載

2017年9月12日 21:11

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 『こち亀』の愛称で親しまれている人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前発出所』の新作エピソードが、9月16日(土)発売の週刊少年ジャンプ42号に掲載されることが発表された。昨年秋に最終回を迎えた本作が、連載誌であった少年ジャンプに戻るのは1年ぶりとなる。

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■40年も休まず連載が続けられたギネス作品

 『こちら葛飾区亀有公園前発出所』は秋本治によるギャグ漫画。「週刊少年ジャンプ」にて、1976年の42号から2016年42号まで40年もの長きに渡り執筆され、驚くことに一度も休載せず最終回までの連載が続けられていた。発行された巻数は堂々の200巻を数え、こちらは「最も発行巻数が多い単一漫画シリーズ」としてギネス世界記録からも認定されたほどだ。

 本作は太い一本眉が特徴的なハチャメチャ警察官・両津勘吉(両さん)を主人公とし、多くの個性豊かなキャラクターが織り成す物語り。マニアックな専門ネタやオタク知識が綴られる一方で、浅草や神田など下町の情緒溢れる風景とともに、胸が温かくなる人情エピソードでも多くのファンを魅了してきた。

■異例だらけの最終回

 ところで最終話が掲載された少年ジャンプと、最終巻である200巻が発売されたのは同日じ“2016年9月17日”であったが、これは週刊雑誌に掲載される漫画作品としてはかなり異例であった。また最終話の“ラスト部分”に関しては、雑誌掲載された作品と最終巻とでは微妙に違うなど、こちらも異例であることが作中にて言及されている。

 そのためか最終巻である200巻が一部を除き予約が満了。これに、早々に完売した最終回掲載の少年ジャンプ(42号)と連載40周年増刊雑誌をセットにしたアニバーサリーパックも同年12月31日に発売されるほどだった。「週刊少年ジャンプ」本誌がこのように重版されたのは創刊以来初となる出来事で、200巻の偉業を成した『こち亀』は、こうしたさまざまな点において“異例だらけ”の偉業を遂げてもいたのだ。

 作者である秋本治(有限会社アトリエびーだま社長)は、もともと『こち亀』は“短期連載くらいの気持ちで始めた”と少年ジャンプ漫画賞のTwitterアカウントが述べている。同氏は現在64歳を迎えているが、『こち亀』終了後も意欲的に新作や読み切りなどを執筆しており、本作同様これからの動向に期待していきたい。(記事:高塔・記事一覧を見る

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