プリンセス・プリンシパル 第8話「case20 Ripper Dipper」【感想コラム】

2017年9月3日 16:44

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プリンセス・プリンシパル 第8話「case20 Ripper Dipper」【感想コラム】© Princess Principal Project

プリンセス・プリンシパル 第8話「case20 Ripper Dipper」【感想コラム】© Princess Principal Project[写真拡大]

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 そろそろプリプリも終盤戦の第8話。段々と今までの伏線が回収されつつある本編ですが、9月27日にはいよいよBD&DVD第1巻が発売となります。

 公式ではそんなBD&DVD第1巻のジャケット写真が公開となりました!アニメーションキャラクターデザインの秋谷有紀恵さん書きおろしのW表紙ジャケットとなっており、アンジェの学生としての日常、そしてスパイとしての表情が描かれています。


 円盤の情報も楽しみですが、今週も第8話の感想、考察、etcをやっていきたいと思います!!

Contents
1 プリンセス・プリンシパル 第8話「case20 Ripper Dipper」2 アンジェとプリンセスの関係3 本物のプリンセスと嘘のプリンセス4 また1話から見返したくなる演出

■プリンセス・プリンシパル 第8話「case20 Ripper Dipper」


 王国から共和国への亡命を希望しているオライリー卿。

 彼が秘密裏に接触する人物を特定するよう指令を受けたアンジェ達は、ターゲットが現れるまでオライリー卿が借りている部屋を監視することに。

 公園で見張りをすることになったアンジェだったが、スリを失敗しては相手からひどい仕打ちを受ける少女・ジュリと出会う。

 数日の任務期間中にジュリと親しくなったアンジェは、クロトカゲ星の“王女”と“スリ”の話を語りきかせるのだった——。

■アンジェとプリンセスの関係


プリンセス・プリンシパル 第8話「case20 Ripper Dipper」【感想コラム】

画像引用元:© Princess Principal Project

 今回は、今まであまり触れてこなかった”アンジェ”と”プリンセス”の関係について、いよいよ核心に迫る回となります。

 “アンジェ”と”プリンセス”の入れ替わり、プリンセスの正体…「革命」が起きたあの日いったいなにが起きたのか。

 今回のミッションは、共和国への亡命を望んでいるオライリー卿が秘密裏に接触してる人物を突き止める事。

 そのために、オライリー卿が潜んでいる部屋の前にある公園と部屋が覗ける場所から監視をするのことに。

 そこで立候補したのがプリンセスでしたが、もちろんアンジェに止められてしまいます。しかし、結局はプリンセスの押しに負けて渋々了承してしまうアンジェと、アンジェは相変わらずプリンセスにチョロくて、この二人の力関係はみていて面白いですね。プリンセスの小悪魔っぷりというか、アンジェのデレデレっぷりというか、ああこれが百合というやつですか…。

 そんな二人はいつしか、思い出話に花が咲きます。一緒にピアノを練習したこと、縄跳びを教わったこと、二人だけでファッションショーをしたこと。

 二人は古くからの知り合いなのは間違いないようですが、プリンセスとスパイという、まったく身分の違う二人の出会いはどういうものだったのでしょう。

 やがて、監視任務を始めてから月日が流れていきます。時には本当にアンジェがプリンセスの公務を変わったり、監視任務中にプリンセスが高熱を出して寝込んだりと、任務中にいろいろとありますが、オライリー卿はなかなか姿を現さずに時間だけが過ぎます。

 そんな任務中にアンジェは、貧しさからスリを繰り返す少女・ジュリと出会い、ジュリに”黒蜥蜴星の作り話”を聞かせるようになります。

 それは、遠い遠い、新大陸よりずっと遠い黒蜥蜴星に住む「小さな王女様」と「スリの少女」のお話。

■本物のプリンセスと嘘のプリンセス


プリンセス・プリンシパル 第8話「case20 Ripper Dipper」【感想コラム】

画像引用元:© Princess Principal Project

 礼儀作法に語学に音楽、乗馬、ダンス、歴史、文学、絵画、そんな勉強ばかりのつまらない日々に嫌気が指していた小さな王女・シャーロット。そんな彼女はあるとき、自分と同じ顔を持つ少女に出会ったことで大きく人生を変えることになります。

 シャーロットとその少女・アンジェは、隙をみては二人で遊ぶようになり、やがて互いに無くてはならない存在となっていきます。

 アンジェ『ねぇ王女様!私達友達になろうよ!』

 プリンセス『私はつまらない子よ…お友達になっても楽しくないと思うわ』

 アンジェ『ううん!楽しい!』

 プリンセス『どうして…?』

 アンジェ『私達正反対だから!』

 スラム街で育ちなにも持たない空っぽの少女と、あらゆることに満たされたプリンセス、容姿は似ていてもまるで正反対の二人。

 プリンセスは自分が、他人になにかをやらされている人生を送っていて自分を持たずに過ごしてきたので、他人にとって自分はつまらない人間だと思っていました。

 しかし、アンジェにとっては自分にはないあらゆるものを持っている”正反対”の人間だからこそ、プリンセスと過ごすことはとても楽しかったのです。

 遊んで、いたずらして、二人で多くの時を過ごしてきたあるとき、プリンセスは少女に”入れ替わり”を持ちかけます。

 王女としての窮屈な世界ではなく、外の世界を歩き回りたかっただけのほんの気まぐれのつまりでしたが、外の世界で見たのは貧困で喘ぐスラム街の実情でした。

 外の世界でみた現実を受け止めたプリンセスは、改めて自分が女王となり、”壁”を壊し市民を、そしてアンジェを救おうと決意します。

 しかし、入れ替わりをしたその日、運命の分岐点とも言える”革命”が起き、二人は入れ替わったまま離れ離れになってしまいます。

 革命直後の王室で、もし自分が本物の王女ではないことがバレたらなにが起きるかわからない、そんな恐怖と戦いながら、必死に王女を演じるために礼儀作法からダンス、勉学、読み書きすら出来なかった少女は血のにじむ様な努力を続けた結果、そして今のプリンセスが出来上がったのです。

 自分は、なにもない空っぽな人間だったから、だから教養もピアノも全てを詰め込むことができただけ、と卑下するプリンセスは、アンジェに一つの疑問をぶつけます。

 『どうして私のこと、『プリンセス』って呼ぶの?』

 『違うよ。プリンセスと再会した時私は二人で逃げようって言った』

 『でも…あなたはこの国を変えようって言った。あなたはもう立派なプリンセスよ』

 これまで、本当のプリンセスを演じるために、嘘をつき続けて空っぽの自分に必死にいろんなことを詰め込んだ。でも、所詮は自分が貧民街の出身の偽者である嘘のプリンセス。まるで王室に潜入している”ただのスパイ”

 本当のプリンセスに『立派なプリンセス』、そう言われた嘘のプリンセスは、誰にも言えず人知れず努力を続けてきた今までの過去がようやく報われたような、そんな感じでしょうか。

 そして、あの日のように仲良くピアノを引く二人がそこにはありました。

■また1話から見返したくなる演出


プリンセス・プリンシパル 第8話「case20 Ripper Dipper」【感想コラム】

画像引用元:© Princess Principal Project

 これが…..神回……。

 2話から伏線のあった二人の関係と、二人の過去を一気に回収してきた素晴らしい回でした。

 なによりも見せ方、演出、そして音楽が全てマッチしていてほんとに素晴らしかったですね
現”アンジェ”=かつての本当のプリンセス”シャーロット”、そして現”プリンセス”=かつての貧民街の少女”アンジェ”というで、二人は運命のいたずらか真逆の人生を送ってしまうことになってしまいます。

 しかし、そこからはまるで地獄のような日々を始まることになるのですが、そのことでアンジェはプリンセスに対し相当な負い目を抱えているのでしょう。だからプリンセスに対しては決して逆らえないし、かなり気を遣っているのです。

 元々、入れ替わりの伏線自体は2話あたりから匂わせていましたが、謎めいたアンジェというつかめないキャラクターに惑わされて視聴者は、この二人の関係については色々と予想が立てにくい感じなっていました。

 で、今回で全てを明かしたうえで視聴者に感動まで与えちゃう展開がいいんですよね。変にどんでん返しがあるわけじゃないけど、だがそこがいい!!みたいな。

 そしてこの過去を知ったうえで2話にも出てきた『友達になりましょう』から『私達正反対だから』『いいわ。私たち、お友達になりましょう』という再会の時のセリフのやり取りや、他の話数の二人の会話や表情がかなり違った見方ができてくる、だからもっかい最初から見たいと思わせる時系列の入れ替わりがここで活きてくるというのがいいですね。

 しかし、アンジェもこれまでの王室暮らしから一転してスラム街の少女となったわけですから、おそらく相当な人生を送った末にスパイとなったのではないでしょうか。

 それを考えるとアンジェにももっとスポットを当てて欲しいというところですが、これまで各キャラクターたちにはきちんと過去を描いているので、アンジェが入れ替わったあとのお話も描かれるのは明白でしょう、もしかしたら最終回付近まで引っ張るかもしれませんね~。ますます今後が楽しみな作品です。

 プリンセス・プリンシパル 感想コラムのまとめ

(あにぶ編集部/Uemt)

© Princess Principal Project

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