トランプ大統領からは強気発言、本日はADP雇用統計 8月2日のドル円為替

2017年8月2日 10:34

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 ドル円がついに1ドル110円を割った。8月1日23:30(すべて日本時間)ごろにドル円は1ドル109円92銭の下値をつけている。6月以来となる110円割れだ。その後は反発から110円半ばまで戻している。6月15日にはロシアゲート疑惑や経済指標の不調ぶりが影響し、1ドル110円台から108円台まで下がっているだけに警戒が必要だろう。

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 8月1日は11:30ごろに1ドル110円割れ目前までドル安となったが、持ち直して21:00ごろには1ドル110円59銭の上値をつけた。21:30には6月個人消費支出が発表となり、注目のPCEコアデフレータは前年比+1.5%とわずかながら事前予想を上回った。しかし個人所得は0.0%と事前予想の+0.4%を下回っている。個人消費支出は+0.1%と事前予想と変わらず、5月の+0.2%を下回った。賃金の伸びはやはり鈍っている。懸念されていたインフレは再び低下傾向にあるといえる。経済指標の強弱がまちまちだったことからドルの上昇とはならなかった。

 23:00には7月ISM製造業景気指数が発表となり、こちらが事前予想をわずかに下回る56.3であった。6月の57.8からは大幅に下回っている。また同時刻に6月建設支出も発表となっているが、こちらは事前予想の+0.4%のプラス予想を裏切り-1.3%というネガティブサプライズであった。この結果からドル売りが加速し、23:30ごろ1ドル109円92銭の下値となった。

 トランプ政権は、ケリー前国土安全保障長官を新首席補佐官としたことでやや落ち着きを取り戻している。4:20ごろにはトランプ大統領が「来週にはエネルギー関連で驚くべき結果が提示される」とコメントしている。トランプ大統領は米国経済の成長ぶりを必死にアピールしようとしているわけだが、はたしてどのような数字が示されるのか楽しみなところだ。

 本日は21:15に7月ADP雇用統計の発表を控えているが、事前予想から大きく上下する経済指標だけにサプライズには注意が必要であろう。この流れで、週末には7月雇用統計の発表となる。(記事:ろひもと理穂・記事一覧を見る

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