マーガリン離れ、先進国中心に進む

2017年7月28日 08:00

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記事提供元:スラド

headless曰く、  世界最大のマーガリン/スプレッド(ファットスプレッド)メーカーとされるユニリーバだが、先日発表された2017年第2四半期・上半期決算では全カテゴリーで売上高が増加する中、スプレッド部門のみ減少している(Consumeristの記事)。

 マーガリンは植物油脂を主原料とすることから、かつてはバターよりも健康的というイメージを持たれていた。しかし、植物油に水素を添加して部分硬化油にする過程で生成されるトランス脂肪酸の健康への悪影響が注目を集め、先進国を中心に消費者のマーガリン離れが急速に進む。

 米食品医薬品局(FDA)は2015年、食品への部分硬化油使用を2018年までに禁じる方針を示したが、ユニリーバでは「Country Crock」や「Flora」「I Can't Believe It's Not Butter」などの製品でいち早く部分硬化油の使用を中止。部分硬化油をパーム油・パーム核油へ置き換えるなどのレシピ変更を行い、FDAが定めるトランス脂肪酸の食品ラベル表示基準で「1食あたり0g(1食当たり0.5g未満)」を実現した。しかし、レシピ変更時には「ゴミのような味」などとさんざんな評価を受けることになる。

 その後も消費者のマーガリン離れに歯止めはかからず、ユニリーバではスプレッド部門を売却または分離する計画を4月に発表した。なお、ユニリーバ・ジャパンではマーガリン類の取り扱いがなく、国内ではユニリーバのマーガリンブランド製品「ラーマ」をJ-オイルミルズが販売している。

 マーガリンは加工食品にも含まれるため、まったく口にしない人は少ないと思われるが、スラドの皆さんはマーガリンを使っているだろうか。

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