チョコレートは認知機能を高める イタリアの研究

2017年7月16日 07:15

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ココアとカカオ豆。

ココアとカカオ豆。[写真拡大]

 イタリアのラクイア大学の研究グループは、チョコレートやココアの原料となるカカオに含まれるポリフェノールの一種フラバノールが、「脳の認知機能を保護し、その機能低下を抑える作用を持つ」と発表した。

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 ごく基本的なことから解説していこう。チョコレートとココアは、いずれもカカオ豆から作られる。簡単に説明するとカカオ豆から油脂分を取り除いて残るものがココア、逆にその取り除いた方の油脂分を他のカカオに加えて加工してできるものがチョコレートである。要するに、成分的には共通点が非常に多いということだ。

 チョコレートの健康効果は今日、様々なものが発見されているが、特によく知られるものは強精作用であり、これはカカオがまだ中南米の限られた文化圏においてしか知られていない作物だった頃から基本的な効能とされていた。

 カロリーが多い(その最大の理由は油脂分の多さである)という厄介な問題はあるが、何にせよチョコレートは古今東西人類に愛されてきた食べ物である。

 さて、そのチョコレートが、身体の健康だけではなく脳の健康にもよいらしい、というのが今回の研究だ。

 フラバノールを摂取すると、一時的に記憶能力が強化されたり、視覚情報の処理が改善するなど、認知機能によい影響が及ぶことが、多くの被験者によって示された。また、睡眠不足の状態においてさえ、一般的に睡眠不足によって引き起こされるとされる認知機能の低下が抑制されたというデータも出ているという。

 毎夜3時間しか眠らなかったというので有名なナポレオンは大のチョコレート好きで、「チョコレートだけあれば他の食べ物がなくても生きていける」と豪語したという話もある。それもこれと関係のある話だったのであろうか。

 なお研究チームによると、フラバノールは海馬の歯状回という部位の血流量を増大させるため、そこに何らかの秘密があるのではないかとのことである。

 なお、研究の詳細は、学術雑誌『frontiers in Nutrition』においてネット公開されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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