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Bリーグに未来はあるのか、初年度から振り返る課題
■Bリーグ初年度を振り返る
5月27日、バスケットボールのBリーグは、栃木ブレックスが川崎ブレイブサンダースを下し、初代王者に輝いた。最終戦と呼ぶにふさわしい見事な逆転劇で見る者を魅了した。この試合はBリーグファンの胸に熱く刻まれることとなるだろう。
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しかし、Bリーグ全体を見て成功したか?と聞かれるといささか疑問が生じる。観客動員数、知名度アップの両面から見て成功したという声は聞こえるが、本当にそうだろうか。確かにリーグ戦の観客数は、全チームが昨年の旧リーグから人数を増やし、全体では50%増の約150万人と増加につながったが、スポーツニュースで取り上げられるのはほとんどが栃木ブレックスだった。しかもチームのニュースというより主将の田臥に関する話題の方が多かった気がする。
プロ野球はシーズン中ほぼ毎日行われているという状況にもかかわらず、きっちり報道されている。それに対してBリーグは全く報道されない日の方が圧倒的に多かった。もし日本バスケットボール協会の人間が「初年度のBリーグは成功した」と思うのであればそれは注意しなければいけないと思う。
■Bリーグの知名度が高くない理由
Bリーグの開幕とJリーグの開幕を比較するとその差は歴然だろう。Jリーグの開幕当時はとにかく凄かった。サッカー人気が急上昇し、チケットが取れないということもよくあった。開幕前はあらゆるテレビ局が特番を組み、チームの宣伝をしていたため、サッカー好きでない小学生でも全チームを言える子が多かった。
そうできた理由は大きく分けて二つだと思う。一つは準備期間が長かったこと。Jリーグ開幕は1993年だったが、その前の年にナビスコカップが行われ、ここでサッカー熱をうまく温めていた。そのためサポーターは観戦する土壌ができたし、チームスタッフは運営方法を学ぶ準備ができた。
もう一つはプロチームの数ではないだろうか。Jリーグ初年度は10チームだった。そのため1節に5試合しかなく、チーム名や主要選手などを覚えるのが簡単だった。しかしBリーグはいきなり18チームで始まった。そうなってくると「チーム覚えられないよ」となってしまう。
マスコミにしても然りだ。全9試合を報道する枠はなく、最も知名度のあるバスケットボールプレイヤー田臥選手をクローズアップするしかないのだ。Jリーグ初年度に比べれば、報道の数は圧倒的に少なかったはずだ。
■新たな改善点が必要
レジャー白書2016によれば、国内のサッカーの参加人口は480万人に対し、バスケットボールは400万人。日本バスケットボール協会の発表によれば、バスケットボールの競技人口は、2016年で63.7万人。1995、96年に100万人を超えていたころからくらべれば減少しているが、2000年に50万人を切った時からは増えており、近年は微増が続いている。
参加人口や競技人口は決して少なくないバスケットボール。それでも、Bリーグ2年目は、各チームおよび日本バスケットボール協会共に1年目より状況は厳しくなるはずだ。これからは、報道させることを積極的に増やし、知名度をより上げていくことに注力していくことが、一つの課題となってくるのではないだろうか。
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