『夏目友人帳 陸』(夏目友人帳 6期) 第7話「ゴモチの恩人」【感想レビュー】

2017年5月30日 11:26

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『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期) 第7話「ゴモチの恩人」【感想レビュー】©緑川ゆき/白泉社・「夏目友人帳」製作委員会

『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期) 第7話「ゴモチの恩人」【感想レビュー】©緑川ゆき/白泉社・「夏目友人帳」製作委員会[写真拡大]

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 『夏目友人帳 陸』後半戦。今回は、夏目の祖母であるレイコさんのエピソードです。

■起:亡き祖母・レイコを訪ねてきた妖


 夜中、夏目は屋根の上から妖の声を聞きます。

 夏目を亡きレイコと勘違いし、襲ってきた妖でした。それを撒いた翌日。今度は別の妖がレイコを訪ねてきます。

 夏目は、自分が孫でありレイコは他界していることを妖に伝えます。人間が動物の顔をなかなか見分けられないように、妖もまた人間を見分けるのはうまくないのです。

 ゴモチと名乗る妖は言いました。

 「レイコ様に少しお世話になったことがありまして、お礼をお伝えしたく参ったのです」

 生前、がさつなことで有名だったレイコ。妖から恨みをかうことも多かった彼女の、良き一面。

 昔の夏目と同じく、レイコもまた家を転々とする嫌われ者でした。なので、レイコの良い部分を聞ける、夏目にとっては貴重な回想シーンに突入します。

 今回は、レイコの活躍がメインです。

■承:レイコは気まぐれにも妖を助け


 当時、美しい学生だったレイコは、ひとりきりになる場所を求め山奥にやってきていました。そこで、ゴモチを含む妖達と遭遇。レイコは、妖の間でも強力な妖力を持つことで有名でした。

 ゴモチは、そんなレイコに頼み事をします。

 センキとヒャッコという強い妖怪がケンカをしていて、みんな困っているというのです。

 「自分達のことでしょう。面倒事はごめんよ」

 というレイコでしたが……

 ケンカの理由が、美しい女性の妖をとらえ、より優れている方が彼女を嫁に出来る――というものだと知り、態度を変えます。

 「あなたは納得しているの? どちらかのお嫁さんになりたいの?」

 そう問いかけるレイコに、キブネという女性の妖は、「帰りたい」と答えます。

 そこでレイコは、センキとヒャッコに対し

 「誰よりも強いものが花嫁さんをもらえるのね? ならば私も参戦するわ。花嫁は私がもらう」

 「森を守りたいとか、このこを助けたいとか、そんなんじゃないけれど、勝って傲慢なあなたたちの泣きっ面を見たくなったわ」

 と挑発し、半ば強引に参戦します。

 この周りを巻き込む強引っぷりが、レイコの良きところであり、また迷惑な部分でもあります。今回妖を助けたのも、気まぐれが主な理由です。けれど、キブネのことを多少なりとも想ってはいたはずですし、巻き込んだ人達に良い意味で影響を与えしまうような、ヒロインのような属性も持ち合わせています。

 そうしてレイコは挑発に挑発を重ね、話術と戦略を駆使しセンキを破ります。

■転:妖達の心を動かす


 しかし、残るヒャッコは、多くの栗を集めたほうが勝ち!という勝負を一方的に取り付けてしまいます。

 強引なレイコの方が、強引にやられるという。

 「私が勝てば、この森で一番強いのは私」

 森を支配したがっている、傲慢なヒャッコ。

 いくら妖力が強いとは言え、レイコは人間です。力の強いヒャッコよりも多くの栗を、山の中で制限時間内に多くの集めるのは大変です。

 けれど、ゴモチを含む山の妖達が手伝ってくれて……。

 見事勝利、キブネも開放されるのです。

「無念。私の負けか」

 ヒャッコはそう言うと、山のみんながレイコに手を貸したのを見て、傲慢だった自分を反省するのでした。

■結:繋がりを切り捨てたレイコ


 けれどレイコは、「顔見知りのいる森なんて落ち着かないわ」と言い残し、山から去ってしまいます。

 話を聞いた夏目は、いろんなものから遠ざかりすぎて、何かと繋がることを選べなかったレイコの気持ちを想います。

 その後夏目は、キブネと結ばれたゴモチの式にお呼ばれし、その美しい光景をレイコにも見せたかったと思うのでした。

■『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期) 第7話「ゴモチの恩人」で強く感じた事


 繋がりを大切にする夏目。繋がりを持てなかった、持つことを避けたレイコ。

 似ているようで、真逆の2人。もし夏目が藤原夫妻、ニャンコ先生、田沼達と出会えなければ、レイコのようになっていたのかもしれません。

 これまで第6期では夏目と周囲の優しい人々を描いてきました。そこにレイコのエピソードです。

 いかに夏目にとってみんなが大切なのかがわかるお話でした。

 『 夏目友人帳 陸 』(夏目友人帳 6期) 第6話「西村と北本」【感想レビュー】

(あにぶ編集部/星崎梓)

©緑川ゆき/白泉社・「夏目友人帳」製作委員会

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