関連記事
日本のジェンダー指数は144か国中111位、「逃げ恥」が与えた影響は?
■国際女性デーでデモ行われるも、男女間のジェンダーギャップは広がる
2017年3月8日は国際女性デーだった。1904年3月8日にアメリカのニューヨークで起こった婦人参政権を要求したデモを発端とし、国際連合によって記念日として定められている。
国際女性デーには世界各地でデモやスピーチが起こり、東京でもデモが行われた。しかし、日本において注目度はまだまだ低いと共に、権利における男女の考え方にはまだ食い違う部分が多いようだ
日本における男女間のギャップが広がる中、2016年の秋ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に注目が集まった。
■2016年に大ブームを巻き起こした「逃げ恥」
『逃げるは恥だが役に立つ』は、海野つなみ原作の漫画。2015年には第39回講談社漫画賞の少女部門を受賞し、2016年10月にはドラマ化された。
この作品が注目を浴びたのは、現代における「結婚」について真正面から描いたことにある。主人公の森山みくりは、大学院を卒業していたが派遣社員として働いていた25歳。ある日、彼女は派遣切りにあってしまい、職ナシ彼氏ナシでは都会で過ごすだけの力が残っていなかった。
その中で、父親の紹介で津崎平匡の家で家事代行サービスを行うことになる。みくりは津崎の家で家事をしながら、結婚を仕事として割り切れないかと想像を膨らませる。しかし、みくりの両親が田舎に一軒家を建てて引越すことが決まり、ついに住む場所まで無くなってしま。窮地に立たされたみくりは、津崎に「就職という形での結婚」を申し込んだのだ。
■「逃げ恥」が提示した現在の女性の立ち位置
みくりが取ったのは、現代でいうところの「契約結婚」だ。津崎は雇用主として、みくりは従業員として家事すべてを行うという契約の元、2人は結婚の道を選んだ。
劇中では家事の年収は約300万円ほどと試算され、みくりには月給として約19万円が支給された。この金額が多い・少ないは別にして、専業主婦を現在の社会的価値で計算すれば、それなりのお金を生み出していることを示唆している。
専業主婦として家庭を支えるだけでなく、今では女性が会社に就職して働くのが一般化している。本作品にもバリバリのキャリウーマンとして土屋百合が登場しており、みくりとは対照的に社会に馴染んでいる姿が映し出されている。
しかし、両者共に心のどこかで満たされないものを感じている描写が随所に盛り込まれている。みくりはお金をもらう専業主婦をしているが、ゆりのように社会に参加できていない疎外感を覚える。百合もまた仕事では一定の地位を築いているが、男性社員に結婚をしていないことで嫌味を言われてしまう。
どちらも生活するには困らない環境を整えているように見えるが、やはり社会の中でどこか欠落したものを感じている。結婚だけでも仕事だけでも満たされない彼女たちは、やはり社会的に自分たちの「立場」が保証されていないのを実感しているのかもしれない。
これは女性だけに限った話ではなく、現代の日本において仕事のない男性はアイデンティティを失いつつある。そういった意味では、男女ともに社会的権利はまだまだ成熟していないことがうかがえる。
■社会における権利問題は発展途上
世界経済フォーラムが発表している男女間の男女格差を測る「ジェンダー指数」で、日本は144か国中111位となっている。まだまだ女性と男性の格差が広いことを物語っているが、これは別に女性が苦しい立場にいることだけを表した結果ではない可能性がある。
たしかに日本においては、まだまだ男性社会で男尊女卑の傾向があるだろう。しかし、その一方で女性の権利ばかりに目がいき、男性の立場が危うくなっているのも現実であるように思う。
お互いに自分たちの権利ばかり主張した結果、両者の「ギャップ」がさらに広がって111位という結果を生み出したのかもしれない。
「逃げ恥」でもみくりと津崎がお互いに歩み寄ったように、もっと男女が互いのことを知る努力が必要であるように感じる。ドラマ通りにはいかないだろうが、社会における男女のギャップを埋めるためには、女性だけでなく男性の力も必要になってくるだろう。(記事:藤田竜一・記事一覧を見る)
スポンサードリンク
