AIへの過度の期待ひとり歩き、ガートナーが10の「よくある誤解」発表

2017年1月12日 10:09

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記事提供元:エコノミックニュース

日本では昨年ごろからAIに関する製品やサービスのリリースが相次ぎ、AIへの関心が高まりを見せている。さまざまな情報が飛び交うなかで、世間でのAIに関する多くの誤解も見られるようになってきた。そこで今回、ガートナージャパンは、AIに関して寄せられる「よくある誤解」を発表した。

日本では昨年ごろからAIに関する製品やサービスのリリースが相次ぎ、AIへの関心が高まりを見せている。さまざまな情報が飛び交うなかで、世間でのAIに関する多くの誤解も見られるようになってきた。そこで今回、ガートナージャパンは、AIに関して寄せられる「よくある誤解」を発表した。[写真拡大]

 日本では昨年ごろからAIに関する製品やサービスのリリースが相次ぎ、AIへの関心が高まりを見せている。さまざまな情報が飛び交うなかで、世間でのAIに関する多くの誤解も見られるようになってきた。そこで今回、ガートナージャパンは、AIに関して寄せられる「よくある誤解」を発表した。

 よくある誤解には、「すごく賢いAIが既に存在する」、「IBM Watsonのようなものや機械学習、深層学習を導入すれば、誰でもすぐにすごいことができる」、「AIと呼ばれる単一のテクノロジーが存在する」、「AIを導入するとすぐに効果が出る」、「教師なし学習は教えなくてよいため教師あり学習よりも優れている」、「ディープ・ラーニングが最強である」、「アルゴリズムをコンピュータ言語のように選べる」、「誰でもがすぐに使えるAIがある」、「AIとはソフトウェア技術である」、「結局、AIは使い物にならないため意味がない」の10点が挙げられている。

 実際はAIとひとくくりに、あるいは擬人化されて理解されることがある技術は、たとえば画像処理、自然言語処理といった領域毎に研究・開発が進められており、AIを活かすには活用の目的を明確にしたうえで、優秀なエンジニアによる設計が必要となる。機械学習をさせるにもアルゴリズムを設計するのにも、活用目的に対して最適な方法を見つけるのは簡単なことではないし、教師データの量や学習時間も膨大に要する。また、現在AIと呼ばれている技術のなかには、たとえば一部チャットボットのように単純なパターン応答のものまで含まれていて、「AI」という言葉がバズワードと化しているという。人間のような総合的な処理ができるAIが誕生するのには、まだまだ時間がかかることは多くの技術者のなかでは常識となっているが、世間の期待は膨らみすぎているようだ。

 総務省の「次世代人工知能推進戦略」では、2020年および30年を見据えた人工知能の研究・開発のロードマップが示されている。これによれば、ビッグデータに基づくAIは現段階では、情報が全てそろっている(完全情報)条件をもとに人間の表情や物体などの認識を実現するもので、ノイズや誤りがあり全ての情報があるわけでない現実世界の環境での認識や、深い背景知識を要するタスクが実現するのは20年以降とされる。AIができることできないことを理解し、過剰な希望や悲観を抱かずうまく付き合っていく姿勢が求められる。(編集担当:久保田雄城)

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