プーチン大統領からトランプ氏へクリスマスカードが届く

2016年12月25日 10:47

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 ロシアのプーチン大統領から、アメリカ次期大統領トランプ氏に宛て、米ロ関係の改善を提案する内容のクリスマスカードが届いていたことが明らかになった。23日、トランプ氏自身が公表した。

 ここしばらく、米ロ関係は緊張が続いていた。16日に、オバマ大統領が「ロシアからアメリカに対し行われたサイバー攻撃に対し報復する」と宣言。これにより米ロ関係は急速に冷え込み、21日には、ロシアのベスコフ大統領報道官が「米ロ間の対話はほぼ途絶えている」と言明する事態となった。

 そのような状況にあっての、今回の発表である。トランプ氏によると、手紙は15日付。クリスマスと新年の挨拶が述べられ、また、世界の安全保障のためにロシアとアメリカの友好関係を改善することが急務であると強調。建設的なやり方で協力関係を修復したい、と記されていたという。

 トランプ氏はこの手紙の内容に賛意を示し、ロシアとの関係改善に意欲を見せている。

 また22日、トランプ氏は自身のツイッター上で「アメリカは核戦力を増強する必要がある」という旨のツイートを行った。同じ核大国であるロシアに対しては挑発的とも取れる発言で、各方面に波紋が広がっている。しかしプーチン大統領は23日、ロシアで恒例である年末の記者会見の中でこれに対し「特に目新しい発言ではない」と述べ、軽くかわすに留めた。

 選挙戦中にはとかく賛否の強かったトランプ氏だが、蓋を開けてみれば、かくのごとく、各国の首脳から氏へのラブコールが続いている。その筆頭は無論、選挙戦後まもなくトランプ氏と異例の直接会見に及んだ安倍首相である。

 トランプ氏はフロリダでタイガー・ウッズ氏とともにクリスマス休暇のゴルフに興じており、オバマ大統領も同様にハワイでゴルフ休暇に臨んでいる。2016年はまもなく終わる。そして、2017年1月20日、オバマ大統領の任期が切れる。2017年は、トランプ大統領の年となるであろう。果たしてそれはどんな年となるのか。全世界が、その動向を見守っている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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