「ヤマハ歴史車両デモ走行会2016」、8年ぶりに開催

2016年11月12日 18:44

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記事提供元:エコノミックニュース

レストレーションを受けたクラシックバイクが1台ずつコースインし、大勢の観客の前でデモンストレーション走行を繰り返した

レストレーションを受けたクラシックバイクが1台ずつコースインし、大勢の観客の前でデモンストレーション走行を繰り返した[写真拡大]

 静岡県磐田市新貝にあるヤマハ発動機の企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」に収蔵される同社の歴史的車両をデモ走行する「ヤマハ歴史車両デモ走行会・見学会2016」が11月5日、静岡県袋井市にあるヤマハ発動機テストコースにおいて開催され、同社の歴史に名を残すヒストリック・マシンが、それに相応しい場所で疾駆し、往年のファンにとって感涙のシーンが甦った。ヤマハの技術者によるレストレーションを受けた市販バイクやレーシングマシンに加え、トヨタと協働し開発した一部の四輪車などもデモ走行を実施した1日だった。

 このイベント、2001年からヤマハ発動機はデモ走行会を一般公開し、「ヤマハ歴史車両デモ走行会・見学会」として発展させてきた。が、リーマンショックを受けて2008年に一旦休止となり、以降開催されていなかったイベントだ。昨年、7年ぶりの復活を期すも、台風の接近でやむなく前日に中止を決定した。そんなイベントが、8年ぶりに復活したというわけだ。

 今回、イベント当日は“小春日和”秋晴れの抜群の晴天に恵まれて、3000人近い観客が来場。バイクで訪れた人たちのナンバープレートを筆者が目視できただけで、北は栃木県宇都宮、南は兵庫県神戸というエリアからライダー達がやってきていた。

 当日は歴代の市販2輪車30台に加え、1985年の鈴鹿8時間耐久レースで歴史に残るドラマを演じたFZR750などのレーシングマシン、さらにはヤマハがエンジン開発を担ったトヨタ2000GT(1967年)やOX99-11(1992年/プロトタイプ)といった四輪車のデモ走行も行なった。

 デモ走行会でバイクを駆ったライダーは、ヤマハ社内から公募した30人ほどのボランティアライダー。およそ2倍の抽選をくぐり抜け、この日の栄冠を獲得した社員たちだった。

 デモ走行トップを飾ったのは、ヤマハで最初のバイクとされる「YA-1」、1955年に発表された製品だ。デビュー当時は、軽快な走りと斬新なカラーリングから“赤とんぼ”と呼ばれた機種だ。

コミュニケーションプラザで展示しているマシンは、完全にレストレーションを受けてはいるが、キャブレーションの調整は困難を極める作業で、毎日使うバイクならともかく、展示品がいきなり走るのは、いささか厳しい。

新車時でもちょっとでも気温が下がるとエンジンの始動性は決して良くなかったはずで、会場でもデモ走行を前にしてエンジンがなかなかかからない。係員が懸命にキックを踏んで始動を試みるも、エンジンに火が入らない。やっとのこと、10数分後の一発のキックで2サイクルエンジン独特の蒼白い排気ガスをマフラーから吐き出して、甲高いエンジン音が響き渡った。エンジンが目を覚まし、思わず会場の大勢の観客から拍手と歓声が上がる一幕も。好天に恵まれ、オイルが焼けるにおいに興奮した1日が終わった。(編集担当:吉田恒)

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