日米の注目経済指標:日米の金融政策、今回は現状維持の公算

2016年10月29日 15:02

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記事提供元:フィスコ


*15:02JST 日米の注目経済指標:日米の金融政策、今回は現状維持の公算
10月31日-11月4日に発表される主要経済指標については以下の通り。

■11月1日(火)決定会合の終了予定時刻は未定
○(日)日本銀行金融政策決定会合-予想は金融政策の現状維持
黒田総裁は、日本経済の状況に応じてマイナス金利の深掘りと長期金利操作目標の引き下げを行うと明言している。足元の為替相場はやや円安方向で推移していることや物価動向に大きな変化は生じていないことから、今回も金融政策の現状維持が賛成多数で決定される見込み。年間約80兆円に相当するペースでマネタリーベースが増加する現行の金融市場調節も維持されるとみられる。

■11月1日(火)午後11時発表予定
○(米)10月ISM製造業景況指数-予想は51.5
参考となる9月実績は51.5で市場予想を上回った。新規受注、生産の項目が大幅に上昇した。10月については新規受注や生産がさらに上昇する可能性は低いとみられているが、新規輸出は節目の50を上回る可能性が高いとみられており、景況指数は9月実績に近い水準になると予想される。

■11月2日(水)午後9時15分発表予定
○(米)10月ADP雇用統計-予想は前月比+16.0万人
参考となる9月実績は前月比+15.4万人。10月中の新規失業保険申請件数の推移を参考にすると9月実績と同程度かやや上回る雇用者数の増加が期待できる。市場予想は妥当な水準か。15万人程度の雇用増がしばらく続く可能性がある。

■11月2日(水)日本時間3日午前3時結果判明
○(米)連邦公開市場委員会(FOMC)会合の結果判明-予想は金融政策の現状維持
前回(9月20-21開催)のFOMC声明文では、今年前半との比較で経済活動の拡大が加速していることが指摘された。ガイダンス部分では、政策金利引き上げの根拠が強まったとの見解が表明された。ただし、インフレは2%の目標水準を下回る状態が続いており、すみやかな利上げが必要となる状況ではない。また米大統領選が11月8日に行われることから、選挙直前での政策変更は適切ではないとみられており、利上げは12月に持ち越しとなる見込み。

■11月4日(金)午後9時30分発表予定
○(米)10月雇用統計-予想は前月比+16.9万人
参考となる9月実績は前月比+15.6万人で市場予想を下回った。10月については失業保険新規申請件数が低水準で推移していることから、9月実績を上回る雇用増が予想される。
失業率については労働参加率が横ばいとなった場合、9月から0.1ポイント低下して4.9%となる可能性がある。

その他の主な経済指標の発表予定は、10月31日(月):(日)9月鉱工業生産、(米)9月PCEコア指数、11月3日(木):(米)10月ISM非製造業景況指数、11月4日(金):(米)9月貿易収支。《FA》

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