海外バイヤー数が過去最高に マカオ最大のファッションイベント「第7回マカオファッションフェスティバル2016」開幕

2016年10月21日 21:55

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記事提供元:アパレルウェブ


オープニングイベント。香港ファッションデザイナーズアソシエーションのヴァイス・プレジデントも務めるウォルター・マ氏(下段右から4番目)も出席した。

【20日マカオ】マカオ最大のファッションイベント「第7回マカオファッションフェスティバル2016」がきょう20日、世界最大級のカジノリゾート「ザ ベネチアン マカオ リゾート ホテル」で開幕した。地元マカオのデザイナーがアジアを中心とした海外市場に進出するためのサポートやビジネス機会の創出などを目的としており、今年で7回目を迎える。第三セクターであるマカオ生産力及び科技轉移中心(CPTTM)と、マカオ貿易投資促進局(IPIM)が主導する国を挙げてのイベントに、39のブランドが集結。ブース出展やランウェイショーを通してブランドの魅力を訴求する。3日間で約2,000人の来場を見込む。

 若手気鋭ブランドからベテラン勢まで、マカオのクリエーションの幅広さを感じさせるブランドが出揃った。マカオの文化的エッセンスを取り入れた「Macon」(ジェーン・チャン)、舞台コスチュームやテレビ番組の衣装なども手がける「NEGA C. Fashion」(イザベラ・チョイ)、米NYのFITでファッションを学んだジェイ・リー&ヴィクター・チョイによるテイラードスーツブランド「SARTOR LAB」、ミュージシャンやDJなど多彩な活動で知られるヴィンセント・チョンによる「WORKER PLAYGROUND」などが最新コレクションを発表。テイラーとして約40年の経験を持つ呉秀珍のドレスブランド「NB NU BIANO」もショーを行う。初日は、マカオ人デザイナー、キティ・ンのドレスブランド「La Mode Desir」がランウェイショーを披露。チャイナドレスのディテールを盛り込んだコレクションは中国市場を意識したといい、中国で縁起がよいとされる鮮やかな赤色をふんだんに用い観客を魅了。香港の「IKA BUTONI」(IKA BUTONI)や台湾の「Madammay」(徐明美)、中国・深センの「Deng Hao」(Deng Hao & Nichole)ら海外勢とともにオープニングを華やかに飾った。


「IKA BUTONI」

「Madammay」

「Deng Hao」


印象的な赤色のドレス群を発表した「La Mode Desir」

マカオの強み生かす“ファッション文化の創造”が課題


CPTTMの孫家雄理事長

 主催者のCPTTMが継続して力を入れているのが、マカオブランドの対外発信だ。同イベント主催に加え、若手デザイナーのコレクションを紹介・販売する「マカオファッションギャラリー」を運営するほか、台湾や香港など海外でのショーにも積極的に参加。今回のイベントでは、中国や香港など海外バイヤーの来場数が過去最高になる見込みで、初めて日本のメディア(アパレルウェブ)も参加した。CPTTMの孫家雄(Shuen Ka Hung)理事長は、「開催当初は出展ブランドさえなかなか集まらなかった。プロモーションの成果も見られ、出展者、来場者ともに同イベントへの関心が高まってきた」と見る。

 今後の課題は、「マカオのファッション文化の創造」と孫理事長。「マカオは約450年間に渡ってポルトガルが統治してきた国。中国とポルトガルの文化が融合する特異性はアジアでは他に見られない。幅広いスタイルが見られる日本や韓国のファッションに学ぶべきところは多いが、真似に終わらず、そこに特異性を打ち出すことができれば、マカオファッションの大きな強みになる」と強調した。アパレル生産の拠点が中国や東南アジアにシフトしていることについても触れ、「我々にとって大切なのは、デザイン、プロモーション、販売力。産業発展の要素として大量生産もあげられるが、我々にとっては大切な要素ではない」という。「文化を創出するためのクリエイターの育成と、表現力の幅を広げる科学技術の融合に力を注ぎたい」と加えた。

 会場となった「ザ ベネチアン マカオ リゾート ホテル」は、2002年に行ったカジノ経営権の対外開放に伴い、外資企業を中心としたカジノリゾートの新規開発が進むコタイ地区に位置。米サンズが運営し、マカオの経済発展を象徴する場所の1つでもある。「マカオ経済を支えるカジノとともに、ファッションの魅力ももっと知ってほしい」と孫理事長。中国経済失速に伴う中国人来訪者の減少を懸念する声については、「ファッション産業については影響は見られない。もし中国人客の消費力が下がったとしたら、欧米のラグジュアリーブランドからマカオの地元ブランドが見直されるいい機会になるかもしれない」と明るい見方を示した。

 同イベントは、22日まで。ファッションビジネスを学ぶセミナーや、若手デザイナー発掘・育成のための作品コンテスト、CPTTMのディプロマプログラムを終えた生徒らによる卒業ショーなども実施する。


梁維特マカオ経済財政司長(右)も来場。ブースを構えるデザイナー1組1組に声をかけ、熱心にコレクションを視察した。「La Mode Desir」のデザイナー、キティ・ン氏と


世界最大級の規模を誇る「ザ ベネチアン マカオ リゾート ホテル」が会場に

■第7回「マカオファッションフェスティバル2016」開催概要
期間:2016年10月20日(木)~22日(土)
場所:ザ ベネチアン マカオ リゾート ホテル
主催:マカオ生産力及び科技轉移中心(CPTTM)、マカオ貿易投資促進局(IPIM)

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(アパレルウェブ編集部)

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