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IT機器の操作簡易化は市場を縮小させる? 最近のヘルプデスク市場
1990年代半ば頃から家庭や企業に急速に普及し始めたパソコンやインターネット。95年発売のマイクロソフト「Windows95」の登場で世間がパソコンに注目されてから早くも20年が経とうとしている。
「初めて使うのでどう設定したらいいのかわからない」。そんな初心者の頼みの綱だったヘルプセンターやコールセンターであるが、現在はどのような状況なのだろうか。
矢野経済研究所はこの度、今年度のヘルプデスクアウトソーシング市場に関する調査を行った。調査対象はシステム運用保守系ヘルプデスクサービス提供事業者、コールセンター系ヘルプデスクサービス提供事業者であり、調査期間は2015年5月~10月である。
この調査の結果、法人向けヘルプデスクの需要は縮小傾向にあることがわかった。中でも社内のパソコンの操作についてやクライアントのサーバーシステムのサポートに関するヘルプデスクの需要の縮小が目立つ。これは技術の発達により、パソコンの設定や操作自体が簡易化されたことで、ヘルプデスクのサポートの出番が減少したことが要因と見られている。
最近は設定等についても詳しいガイダンス機能が搭載されていることもある。そして就労し始めた若い世代がすでにIT関連の知識を持ち合わせて入社してきているという事実も背景にあるだろう。
しかし同じ法人向けヘルプデスクでも、データセンターサービスや最近利用者が急増しているクラウドサービスについては需要が増えているようだ。コンピューター経由の情報の保存方法は日々進歩しており、その度にサポートの需要が増えることも予測できる。
一方、個人・一般消費者向けではスマートフォンの台頭により、この分野のヘルプデスクの需要も増えている。しかし最近のIT機器・サービスは操作が簡易である傾向があり、この傾向が続けば個人・一般消費者向けヘルプデスクサービスの需要の大幅増は期待しにくい。
技術の発達によってサービス内容が急激に変化するIT関連ならではの結果であるが、2013年度の市場規模は2229億円であり、今年度の見込は2281億6000万円である。そして18年度では2319億5000万円と予測されている。
この数字を見る限り、ヘルプデスク市場に大きな変化はない。それはつまり、IT関連の科学技術の大きな変化もない、ということなのだろうか。
それは一定の期間、我々が今まで通り難なく利用できると見るのか、それとも「2018年も特に進歩なし?」と肩を落としてしまうものになるのか。どちらにしても、パソコンブームの中、右も左もわからない一般利用者の質問に丁寧に答えてくれたヘルプデスクの方々には改めてお礼が言いたい。(編集担当:久保田雄城)
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※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
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