超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」、第2段機体の試験機が完成

2015年10月30日 08:48

印刷

記事提供元:sorae.jp

超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」、第2段機体の試験機が完成(Image Credit: NASA)

超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」、第2段機体の試験機が完成(Image Credit: NASA)[写真拡大]

 米航空宇宙局(NASA)は2015年10月28日、開発中の超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」(SLS)の第2段機体の試験機が完成したと発表した。

 この機体は「暫定的な極低温推進段」(ICPS, Interim Cryogenic Propulsion Stage)と呼ばれており、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社が製造を手掛けた。ICPSは「デルタIV」ロケットの第2段機体を改造したもので、SLSのブロック1と呼ばれる、低軌道への打ち上げ能力70トン級の構成で使われる。

 このICPSの試験機は実際の打ち上げには使われず、ボーイング社に引き渡され、今後アラバマ州ハンツヴィルにあるNASAマーシャル宇宙飛行センターで、打ち上げを模した各種試験などで使われる。

 実機のICPSの製造も並行して進んでおり、それを積んだSLSブロック1の打ち上げは、2018年以降に予定されている。

 SLSブロック1は試験機的な位置づけであり、現在より強力な第2段「探検用上段」(EUS, Exploration Upper Stage)の開発も進んでいる。実運用機であるブロック1Bやブロック2ではEUSが使われる予定となっている。

写真=NASA。

■NASA Marks Completion of Test Version of Key SLS Propulsion System | NASA
http://www.nasa.gov/exploration/systems/sls/completion-of-test-version-of-key-sls-propulsion-system.html

【関連記事】
NASA、超大型ロケット「SLS」の詳細設計審査を完了
NASA、超大型ロケットSLS用「RS-25」ロケット・エンジンの3回目の燃焼試験を実施
NASA、超大型ロケットSLS用「RS-25」ロケット・エンジンの2回目の燃焼試験を実施
NASA、スペースシャトルのエンジンの燃焼試験を実施 次世代ロケットに向けて
NASA、超大型ロケット「スペース・ローンチ・システム」の開発を正式決定

関連記事