桜島で最大16cmの地殻変動―JAXAが衛星「だいち2号」で観測

2015年8月20日 16:29

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「だいち2号」による桜島の干渉SAR解析の画像(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の発表資料より)

「だいち2号」による桜島の干渉SAR解析の画像(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構の発表資料より)[写真拡大]

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)による桜島の観測結果を発表した。16日の観測結果からは、南岳山頂火口の東側の広い範囲で最大16cm程度、衛星に近づく変位が観測された。また、「だいち2号」搭載の赤外カメラ (CIRC) による観測結果から南岳付近の地表面温度が周囲と比べ高く見えることが観測されたという。

 気象庁は15日、鹿児島県桜島の噴火警報として噴火警戒レベルを3 (入山規制) から噴火警戒レベル4 (避難準備) に引き上げると発表した。JAXAは気象庁からの要請に基づき、は16日夜、17日昼に「だいち2号」(ALOS-2) 搭載のパルサー2 (PALSAR-2) による緊急観測を実施し、国土地理院をはじめとする防災対応機関へデータを提供した。また、JAXAでも独自に過去に観測されたPALSAR-2データと合わせて干渉SAR解析を行い、地殻変動分布の抽出を試みた。

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