【中国の視点】中国は欧州戦略投資基金への出資表明、米国に新たな挑戦

2015年6月16日 08:11

印刷

記事提供元:フィスコ


*08:11JST 【中国の視点】中国は欧州戦略投資基金への出資表明、米国に新たな挑戦
中国は欧州戦略投資基金(EFSI、新インフラファンド)に出資する計画だ。外電によると、出資額は数十億米ドルに上り、6月29日にブリュッセルで開催する欧州連合(EU)とのサミットで発表される見通しだという。

専門家は、中国によるEFSIへの出資が確定されれば、これまで世界経済を主導する米国にとって新たな挑戦となると指摘した。これより先、EUの主要国は米国の反対を振り切って中国が主導する「アジアインフラ投資 銀行(AIIB)」への加入を表明した。

また、中国によるEFSIへの出資は、EUの主要構成国によるAIIBへの出資表明に対する借りを返すとの見方も出ている。また、中国が主導する「一帯一路(海と陸のシルクロード経済圏構想)」に対する欧州からの出資に関する付加条件も付け加えられる可能性があるとみられている。

さらに、EFSIに対する中国の出資が、欧州と米国の間に多少の摩擦をもたらす可能性があると予測されている。なお、世界に対する中国の影響力の拡大に不安を感じる米国にとって、EU主要国によるAIIBへの加入表明は不快を感じている。

なお、EFSIは欧州委員会のユンケル委員長が昨年提唱したインフラファンドである。EU各国が提示した出資金の額が少ないため、その実効性に対する懐疑的な見方が広がっている。《ZN》

関連記事