(中国)自動車各社が中国で値下げ、増産スタンスは崩さず

2015年5月26日 13:32

印刷

記事提供元:フィスコ

*13:35JST (中国)自動車各社が中国で値下げ、増産スタンスは崩さず
中国に進出るグローバル自動車大手が車両販売価格の引き下げに相次ぎ踏み切った。自動車市場の需要鈍化に対応するため。在庫調整をその目的としている。もっともこれら外資は、中国での増産体制を崩してない。減速感がみられるものの、世界最大の自動車消費国である中国をなおも有望市場とみなして、新工場の建設などを通じた生産能力の増強に懸命だ。値下げによる利益率の低下を、スケールメリットによって補おうとしている。中国経済網が26日までに伝えた。
中国では、独フォルクスワーゲン(VW)が人気車種の大幅値下げに動いたことに続き、米ゼネラルモーターズ(GM)、米フォードが相次ぎ販売価格を引き下げた。この値下げについてGMのMatt Tsien中国区総裁は、「適時な価格調整は我々の日常活動の一つだ」とコメント。「中国の自動車市場では、これまで以上に速いサイクルで変化が起こっている」と補足した。
GMの今年4月の中国販売は不振。中国合弁会社を合わせたグループ全体販売は、前年同月比で0.4%減少した。傘下ブランドの販売が軒並み低迷。ビュイックとシボレーは8.5%、5.6%ずつ落ち込んでいる。今回の価格調整は、足元の販売不振に対応したもの。これまで値下げに慎重な姿勢を示してきたが、外資他社にならって価格調整に動き出した格好だ。
こうした外資勢の中国での値下げについて、調査会社IHS AutomotiveのJames Chao・アジア太平洋エリア総裁は、「今後の流れとなる。さらにこの動きは一段と拡大していくだろう」と語った。
Automotive Foresightの上海統括責任者も、「中国の消費者は自分たちの車購入価格が、米国をはじめとする外国で売られている同一車種と大きな開きがあることを認識するようになってきた」と指摘。外資による中国での値下げ攻勢が当面の流れになるとの見方を示した。

【亜州IR】《ZN》

関連キーワード

関連記事