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NYの視点:FOMC6月の利上げも選択肢に残す、カレンダーガイダンスを廃止
*07:15JST NYの視点:FOMC6月の利上げも選択肢に残す、カレンダーガイダンスを廃止
米連邦準備制度理事会(FRB)は2日間にわたる連邦公開市場委員会(FOMC)で市場の予想通り金融政策を現行に据え置くことを決定した。最近の低調な経済指標を受けて、一部のエコノミストはFOMCで景気判断や見通しが下方修正されることを予想していた。しかし、声明ではFOMCが景気の判断で冬場の弱い経済が「一時的」と見ていることが明らかになった。また、労働市場の判断で前回の「一段と改善」から、「雇用の伸びは緩やか」に幾分下方修正したが、たるみ具合は「ほぼ変わらず」との見方。
消費の判断でも前回の「緩やかに拡大、燃料価格の下落が購買力を強化」から「伸びが鈍化」に下方修正されたが、「燃料価格の下落で実質所得は力強く上昇、消費者センチメントは依然高い」と楽観的な見解が維持された。FOMCは依然、第1四半期に景気が減速したのち、経済活動が緩やかに拡大すると予想している。経済や雇用の見通しでも「リスクはほぼ均衡」とするなど、景気への懸念は見られなかった。
また、FOMCは2009年から続けてきた金利に関するカレンダーガイダンスである、
*Expende period 長期にわたり
*Considerable time 当面の間
*Patient 辛抱強く
*Unlikely in april 4月の可能性は少ない
を全て廃止。全会一致の決定となった。また、声明の中の字数も560字と2012年12月に連邦公開市場委員会(FOMC)が量的緩和(QE)第3弾を発表する前の2012年10月以降で最少となる。ある意味で正常化に向けて進んでいることは確かなようだ。利上げのタイミングは景気次第となる。6月の利上げも可能性は低いとは言え、依然FOMCの選択肢に残った。FRBは今後、「インフレに関して満足のいく程度の自信」が生まれるかどうか、また、1−3月期の経済の減速が一時的であることを確認し、期待通りに4−6月期に成長ペースが加速するかどうかを見極める必要がある。《NO》
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