関連記事
外国人の「BONSAI」(盆栽)ブーム到来。クールジャパンの仲間入り
漫画やアニメ、日本食に続く新たな観光資源として「BONSAI」(盆栽)に注目が集まっている。東京都江戸川区の「春花園BONSAI美術館」で開かれる「盆栽教室」には大勢の外国人が参加するようになっている。
同美術館は、日本を代表する盆栽作家の小林國雄氏が私財を投じて2002年にオープンした。小林氏は1996年にイタリアから招かれたのを皮切りに世界各国で盆栽についての講演を務め、外国人の盆栽理解に貢献してきた。昨年、台北市で開いた盆栽の実演会には1000人を超える盆栽ファンが詰めかけたという。
一方、2010年には世界で初めての公立の盆栽美術館として「さいたま市大宮盆栽美術館」が開館した。旧髙木盆栽美術館のコレクションを核とした盆栽の名品などを公開している。14年度には3000人以上の外国人が来館している。同館に隣接する大宮盆栽村こそ、世界の盆栽ファンか注目する場所なのだ。
江戸時代には東京都文京区千駄木にある団子坂に、多くの植木職人が集まっていたが、関東大震災をきっかけに、彼らはより広い土地を求めて大宮に移住。そして誕生したのが、大宮盆栽村だ。現在の盆栽村周辺には、9軒の盆栽園が営まれている。
外国人が盆栽にひかれる理由は何か。2012年に「さいたま観光国際協会」がまとめた「JAPANブランド育成支援事業」報告書は、市場調査の結果に基づいて、ガーデニング文化があるヨーロッパでは、特に女性の盆栽愛好家が多く、またアート、クリエイティブ指向が強い若者の間で盆栽が人気だと指摘している。また盆栽需要の高い国として、イタリア・ドイツ・オランダ・フランス・スペインなどを挙げている。
「世界盆栽大会」が4年に1度開かれてきたが、次回は17年にさいたま市で開催される。28年ぶりの日本開催だ。17年に向け、BONSAIをクールジャパンとして世界にPRしようという気運が盛り上がってきそうだ。(編集担当:久保田雄城)
■関連記事
・「クールジャパン」の認知度28%、シンガポールなど東南アジア各国
・表現の自由を守りつつクリエイター減税も視野に MANGA議連の活動とは?
・クールジャパンは外貨獲得手段ではなく文化という原点に立ち返れるか
・ニューヨークでも!世界に進撃する日本のOTAKU文化
・オートバイのヤマハが、クールジャパンなアニメを製作
※この記事はエコノミックニュースから提供を受けて配信しています。
スポンサードリンク