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【村山貢司の気象&経済歳時記】温暖化とエネルギー政策
■温暖化進めば日本からブナが消える心配
各地でサクラが満開になり、花を追うように日増しに新緑が始まっている。その緑であるが、日本では地球温暖化による高温で亜高山帯の木々や高山植物に衰弱するものが多くなっている。
現在のペースで温暖化が進行すれば、100年後には日本からブナの木が消滅する恐れがある。農業では高温障害による米の収穫量の減少、品質の低下が多くなっており、漁業では漁場の変化など大きな影響が出てきている。
日本の温暖化対策の柱は、豊かな森林による二酸化炭素の吸収と原子力発電が2枚看板であったが、東日本大震災に伴う福島原発の事故によって、この構想は吹き飛んでしまった。大震災以降は稼動を停止した原発の代用として火力発電がフル稼働しているために、日本の温暖化対策は停滞どころか後退しているのが現状である。
温暖化対策は簡単に言えばエネルギー政策である。長期的にどのようなエネルギー体系にしていくのかの議論がないままに、原発の廃炉か再稼動かだけが4年ちかく議論されているだけである。各国が二酸化炭素の削減目標を策定する中で、日本は数値目標を決められない状態が続いている。省エネルギーの技術に関してはトップクラスの日本が削減目標を出せない状況では、その技術を海外に売り込むことも難しくなってしまうだろう。
日本は40年以上経過した原発は廃炉にするという方針があり、新しいエネルギー体系を構築するための時間は少ないのである。日本は大地震が起きても大丈夫なような安全策を原発に求め、各原発はその対策を講じているところである。安全が確認された原発を稼動させながら、残された時間で新しいエネルギー体系を考え、整備をしていく必要がある。(気象予報士・経済評論家)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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