関電、夏の供給力確保へ火力5基の点検を6カ月間延期 

2015年3月23日 23:13

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 関西電力は23日、定期点検の法定期限を4月に迎える火力発電所5基(出力計318万8000kW)の点検実施時期を10月1日まで6カ月間延期すると発表した。点検実施期間は通常3カ月から6カ月程度を要することから、夏の電力需給ひっ迫時を避け、供給力を確保するねらいである。定期点検の延期は、災害など非常の場合、電気事業法で認められており、同社の5基は、同日、経済産業省から延期の承認を得た。

 延期される火力発電所5基は、姫路第一6号機(71万3000kW) 、南港1号機(60万kW)、相生3号機(37万5000kW) 、姫路第二5号機(60万kW) 、舞鶴2号機(90万kW)である。

 同社では、延期した5基を含め、今夏まで定期点検を実施しない発電所についても消耗の進んでいる部品の取替え等を実施することで、設備の信頼性を確保していきたいとしている。

 国内の火力発電所は、原子力発電所の運転停止が続いていることから、フル稼働に近い運転を余儀なくされている。関電の場合、とくに原子力発電のウエートが高いことから、火力へのしわ寄せが大きく、需給ひっ迫時には、火力の運転を停止できない状況となっている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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