日本人が惹かれるムーミンの世界観とは

2015年3月19日 11:54

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記事提供元:エコノミックニュース

 原作者のトーベ・ヤンソン生誕100年を迎えた昨年から、ムーミン・ブームが持続している。2月には、2本のムーミン映画が公開された。

 トーベの母国フィンランドとフランスの合作アニメ「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」と、トーベ監修で1978年から82年にポーランドで制作されたパペット・アニメ―ションを修正・再編集した「劇場版 ムーミン谷の彗星」だ。

 二つの展覧会「MOOMIN!ムーミン展」、「生誕100周年 トーベ・ヤンソン展~ムーミンと生きる~」も盛況だ。

 もともとムーミンは、トーべが書いた童話の中で「ムーミントロール」として登場する。リトルミイ、スナフキンなど、登場人物たちはいずれも自由で個性にあふれている。ムーミンには、トーベ自身の体験や身近な人々の存在が投影されており、作品に説得力を与えていると評価されている。ムーミンは、コミック、絵本、アニメーションなどを通して世界中に広がっていった。

 トーベは、第一次世界大戦が始まった14年にフィンランドの首都ヘルシンキで生まれ、15歳の若さで、風刺雑誌の挿絵画家としてデビューした。45年にムーミンシリーズ最初の作品「小さなトロールと大きな洪水」を発表。「ムーミン谷の十一月」(70年)以降は一般向けの小説を手掛けた。

 日本では、テレビ・アニメの影響から、主に「子ども向けのキャラクター」として認知されてきたが、原作アートのデザイン性が周知され、幅広い世代から支持されるようになった。

 ここには、ムーミンキャラクターズ社の戦略転換も影響してする。同社は、2005年以降、「ムーミン」のイラストを商品に用いることを禁じ、ムーミンのアート性を強調する戦略に転じたのだ。

 日本でのムーミン人気について、トーベの姪で、同社会長のソフィア・ヤンソンさんは「原画の美しさや物語の奥深さが、特に日本人の心に訴えかけるのでしょう」と語っている。一方、アニメ「南の海で楽しいバカンス」を監督したハンナ・ヘミラさんも、「フィンランド人と日本人はとても価値観が似ていると思う。両国とも自然を大切にし、内省的に生きている」と指摘する。

 今年はムーミン童話誕生から70年。日本国内ではテーマパークの計画も進んでおり、ムーミン・ブームは続きそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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