関連記事
富士フィルムのインフル薬、エボラ出血熱に有効性 臨床試験で中間結果
富士フイルムは24日、ギニアでのエボラ出血熱に対する臨床試験に提供している抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠200mg」(一般名:ファビピラビル、以下「アビガン錠」)の有効性が示唆される臨床試験の中間解析結果が、フランス国立保健衛生研究機構(Inserm)より発表されたと報告した。
「アビガン錠」は、富士フイルムグループの富山化学工業が開発した抗インフルエンザウイルス薬で、エボラウイルスに対して抗ウイルス効果を有するとのマウス実験の結果が公表されており、既に複数のエボラ出血熱患者で緊急対応として投与実績を積んできた。
その後、昨年12月17日からInsermが、ギニアの4か所のエボラ治療センターにて「アビガン錠」のエボラウイルス感染患者に対する有効性を調べる臨床試験を実施。今回、この臨床試験における、最初の80例の中間解析結果が公表された。
Insermの発表内容によると、治療開始時のエボラウイルス量が中程度から高い患者群において、試験開始前3か月間の同じレベルの基礎療法での治療結果と比べて、死亡率が半減(30%→15%)し、有望な結果となったという。
ただ、治療開始時のエボラウイルスが非常に高い患者群では、来所時81%に高度の腎機能障害が認められ、「アビガン錠」投与による死亡率減少のシグナルを見出すことはできなかった。なお、インフルエンザ治療に比べて高用量で10日間投薬したが、有害事象は観察されなかったという。
今回、「アビガン錠」のエボラ出血熱に対する有効性が示唆されたことをふまえて富士フイルムグループは、引き続き、エボラ出血熱の感染終息に貢献するとともに、治療法確立に向けて、フランス政府やギニア政府、日本の関連当局に全面的に協力していくとしている。(記事:町田光・記事一覧を見る)
スポンサードリンク