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2015年に賃金改善を見込む企業は48.3% 過去最高=帝国データバンク
賃金改善状況の推移を示す図(帝国データバンクの発表資料より)[写真拡大]
帝国データバンクは16日、2015年度の賃金動向に関する企業の意識について調査した結果を報告した。2015年度の賃金改善を「ある」と見込む企業は48.3%で、前年を1.9ポイント上回り、2006年1月の調査開始以降で最高の見通しとなった。また、2014年度に賃金改善を実施した企業は6割を超えた。
その他の調査結果の要旨は以下の通りである。
賃金改善の具体的内容は、ベア36.7%(前年度比2.7%増)、賞与(一時金)27.4%(同0.4ポイント減)。賃金改善をベアで実施する企業が広がっている。
賃金を改善する理由は「労働力の定着・確保」が大幅増加、7割に迫る。人手不足が続くなかで「同業他社の賃金動向」を挙げる企業が過去最高となり、他社の動向をより意識する傾向が強まる。改善しない理由は、「自社の業績低迷」が最多となる一方、消費税率引き上げの影響は薄れてきている。
2015年度の総人件費は平均2.50%増加する見込み。従業員の給与や賞与は総額で約3.2兆円増加と試算される。
同調査における賃金改善とは、ベースアップや賞与(一時金)の増加によって賃金が改善(上昇)することで、定期昇給は含まない。
昨年4月の消費税率引き上げ以降、景気が低調に推移するなか、政府は政労使会議等を通じて賃金の引き上げを要請している。そのため、雇用確保とともにベースアップや賞与(一時金)の引き上げなど、賃金改善の動向はアベノミクスの行方を決定づける要素として注目されている。
同調査は、今年1月19日~31日、全国2万3,402社を対象に行われた。有効回答企業数は1万794社(回答率46.1%)。賃金に関する調査は2006年1月以降、毎年1月に実施しており、今回で10回目となる。(記事:宮野 浩・記事一覧を見る)
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