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徐々に中長期視点の相場展開へ移行、追加金融緩和の効果見極める=犬丸正寛の相場展望
来週以降の相場は、足元相場好調の中に徐々に中長期視点の加わる展開だろう。今回の追加金融緩和は緩和策自体が目的ではなくアベノミクス実現のための手段であり、「その効果はいかに」、ということが問われることになってくるだろう。
中長期の視点ということではNYダウも同様だろう。NYダウは2009年3月の6469ドル(場中)を起点に現時点が高値の1万7486ドルまで5年7ヶ月、値上り率2.7倍となっている。数値だけ見れば、「もう天井だろう」ということになるが、リーマンショックでは2007年10月の高値1万4196ドルからの下落率は約55%に達していた。
「谷深かければ山高し」の教えもある。当時の失業率10%台は5%台にまで改善し経済は目覚しく回復し当時を上回る経済力となっているし、当時にはなかったシエールガスもあることからNYダウはなお上値余地は見込めるという判断はできるだろう。
上値の目安となるのは、テレビドラマでも有名となった「倍返し」も一つの手掛かりといえる。2007年10月から2009年3月までの押し幅に対する「倍返し」は2万2196ドルという計算になる。現在の1株利益水準とすればNYダウのPERは20倍台杜という計算だ。ここまでアメリカの実力が評価見できるかどうかが今後の見所となってくるだろう。
仮に、先行きNYダウの2万2000ドルが見込めるということになれば日経平均は現在のNN倍率0.95倍を当てはめれば2万900円前後が見込める計算となる。
そのためには、(1)安倍内閣の支持率が再び回復し政治に対する安心感が回復すること、(2)追加金融緩和の効果に加え成長戦略が一刻も早く経済に寄与すること、(3)2015年3月期に続いて2016年3月期の企業々績好調が見通せること~などが求められる。
足元では追加金融緩和の心理的効果でマーケットは活況となっている。9月中間期決算発表が一巡すれば、徐々に活況の熱も下がり、師走特有の動きとも絡んで来年の景気を睨んだ中期視点での相場形成に移っていくものとみられる。やはり、当面の最大テーマは消費税有無とそれによる景気見通しであろう。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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