中国:原油安を機に「資源確保」加速、ロシアなどからの輸入を急速引き上げ

2014年11月3日 09:46

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記事提供元:フィスコ


*09:46JST 中国:原油安を機に「資源確保」加速、ロシアなどからの輸入を急速引き上げ
中国がロシアなど原油産出国からの原油輸入を加速している。原油安の進行に加え、国内の備蓄水準が世界平均を下回っていることが背景にある。

中国税関総署が発表したデータによると、7、8、9月の原油純輸入量は、それぞれ前月比2%、6.3%、9%増加したという。また、ブルームバーグの報道によると、10月18日午前10時点だけで計80隻の石油タンカーが中国に向かった。これは過去2年の一日当たりの平均60隻を大幅に上回った。ブルームバーグが発表したデータでは、中国が9月にロシアから計284万1000トンの原油を輸入し、前年同月比で56.79%増加。また、同月にコロンビアからの輸入量も同389.6%増加したと報告された。

英紙ファイナンシャル・タイムズは10月30日、中国聨合石油が10月にオーマンやアラブ首長国連邦から計2000万バレル以上の原油を契約したと報じた。

アモイ大学・エネルギー研究センターの林伯強主任は、中国国内の石油備蓄量が輸入量の60-70日分にとどまり、外国平均の90日を大幅に下回っていると指摘。原油価格の下落を利用して大量購入する必要があると強調した。

なお、中国は2003年から石油備蓄基地などを整備し、2015年までに輸入量の90日に相当する備蓄能力の強化目標を掲げている。《ZN》

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