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ドイツの経済対策に注目が集まる
*08:08JST ドイツの経済対策に注目が集まる
ユーロ圏の景気減速感が強まっている。一連の経済指標は弱含みで、デフレ色が強まり、いわゆる日本化への懸念がさらに高まっている。世界通貨基金(IMF)はユーロ圏の成長率を引き下げ、欧州中央銀行(ECB)も日本化への危機感から量的緩和を示唆している。
注目はこれまで堅調な景気を維持してきたドイツだ。ウクライナ問題にからむロシアへの制裁の影響もあって、足元ではドイツの輸出が大きく減速し、成長率の見通しも軒並み引き下げられている。言うまでもなくユーロ圏最大の経済大国ドイツの動向はユーロ圏全体の経済に大きく影響を及ぼす。
しかし、景気減速懸念が高まってもドイツの政府・独連銀の高官は財政出動や金融緩和には否定的だ。ECBの量的緩和政策に対しても批判的である。
ドイツの財政は日本と違って極めて健全で来年度の新規国債の発行はゼロになる見込みである。従って、財政出動の余力も十分あるし、低インフレの現在大胆な金融緩和しても特段の弊害を被ることは考えにくい。
しかし、なんといってもドイツのハイパーインフレに対するトラウマは強烈なのだ。第一次世界大戦後のハイパーインフレでは1日に数万パーセントに達するようなインフレを体験し、インフレに対する恐怖や嫌悪感はドイツ人に深く刻み込まれている。ハイパーインフレに対する嫌悪感はナチスドイツに並ぶ2大トラウマといえよう。このような感覚が広く深く共有されているからこそ、ドイツの政府・独連銀の高官はこぞって財政出動による景気対策や異例の金融緩和に対して拒絶反応を示すのである。
ただ、これ以上ロシアとの制裁合戦が長期化する等でドイツ経済が悪化した場合にこの姿勢を続けることができるだろうか。ユーロ圏のみならず世界各国からドイツへの景気対策への圧力は着実に強まっている。特に公共投資やインフラ投資の分野については実際にドイツ国内にニーズがあり、この点について財政出動を促す意見は内外で増えている。
今後のユーロ圏経済の先行きについては、ドイツがトラウマを超えて行動できるかが大きな鍵を握っている。《YU》
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