伊藤忠商事、ブラジルの穀物集荷企業に50%出資

　伊藤忠商事は9日、ブラジルで穀物内陸集荷・輸出と大豆種子の開発・販売事業を運営するNATURALLE AGRO MERCANTIL LTDA.の株式50%を取得すると発表した。ブラジル産穀物の取扱高拡大を目指す狙い。

　同社によると、NATURALLE社の株主であるAXIAL PARTICIPAÇÕES E PROJETOS LTDAから株式譲渡を受けると共に、Naturalle社が実施する第三者割当増資を引き受け、2014年末までに同社発行株式の50％を取得する予定という。

　Naturalle社は農家との種子・農薬・肥料等の取引を絡めた国内穀物集荷事業に強みを持っており、伊藤忠商事の日本・アジア諸国向けを中心とした販売力・物流機能とのシナジーを最大化することで、ブラジル産穀物の取扱高拡大を目指す。特に日本市場と成長著しいアジア諸国向けに食糧の安定供給を図るという。

　また、伊藤忠商事の海外有力パートナーとの連携を強化していくことで、Naturalle社の穀物取扱数量を拡大させる考え。将来的には、ブラジルで物流インフラ（内陸集荷サイロ、港湾ターミナル等）や搾油事業等への投資も視野に入れて事業を展開し、食料バリューチェーンの強化・拡大を目指すという。