あなたにもある 救える命 7月1日はAEDの日

2014年6月29日 20:14

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記事提供元:エコノミックニュース

 2004年に日本で一般市民がAED(自動体外式除細動器)を使うことができるようになってから今年で10年目。今や街中のあちこちでみかけるほどAEDの設置は進んだが、心肺停止を目撃した一般市民によるAEDの実施率はわずか4%程度。目の前で誰かが倒れて、10分間放っておくと助かる確率はほぼ0%に対して、心臓マッサージやAEDを使えば生存率が4倍に跳ね上がる。突然死の撲滅を目指して、有志らによる「減らせ突然死プロジェクト」が進行するなど、普及活動が拡大している。

 総務省によれば、11年中の心臓を原因として、かつ一般市民の目撃のあった心肺機能停止傷病者のうち、一般市民による応急手当が行われた場合の1ヵ月後生存率は14.2%で、05年以降で最も高くなっており、行われなかった場合の8.6%と比べて、約1.7倍(5.6ポイント増)となった。

 さらに、AED(自動体外式除細動器)が公共施設や事業所等さまざまな個所に配備されてきていることもあり、全体の割合でみると4%未満ではあるものの一般市民による除細動の件数は右肩上がりで、11年は1,433件(対前年比10.4%増)となっている。

 一般市民により心肺機能停止の時点が目撃された症例のうち、一般市民により除細動が実施された場合の1ヵ月後生存率は45.1%であり、除細動未実施(適応外)の場合の1ヵ月後生存率10.3%に比べ、約4.4倍高かった。

 また1ヵ月後社会復帰率に関しても、一般市民により除細動が実施された場合は38.9%で、除細動未実施の場合の1ヵ月後社会復帰率6.2%に比べ、除細動が実施された場合の方が約6.3 倍高かった。

 上記を見ても、AEDなどによる初期対応がいかに重要かわかる。だが、AEDなど一般人に使えるのだろうか。プロジェクトによると、AEDは「電源を入れれば、あとは音声で指示を出してくれるので、誰でも使える」のだ。

 使うのに特別な資格はいらない。AEDは電気ショックが必要な状態かどうか判断し、不必要な人には職を行わない器械であるため安心だという。

 心臓マッサージを併用すれば、命が助かる確率はさらに上がる。こちらもやり方は簡単。「胸の真ん中を強く、速く、絶え間なく押す」、これだけだ。少しだけ細かく言うと、5cm以上胸がへこむほど深く、1分間に100回以上の速さで押すことが望ましい。

 さっきまで元気に遊んでいた子供が、いつも通り出勤してきたサラリーマンが、買い物途中の主婦が、突然死はだれにでも起こりうることで、年間7万人が命を落としている。たまたまその場居合わせた人がほんの少しの勇気と知識を持つことで、救える命があるのだということを少しでも多くの人に知ってほしい。(編集担当:横井楓)

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