エースコック、いろんな意味で驚きの激辛スパイス入れすぎカップ麺「鬼辛焼きそば」

2014年5月7日 20:01

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いろいろな意味で驚きのエースコックの新商品「EDGE 鬼辛焼きそば」

いろいろな意味で驚きのエースコックの新商品「EDGE 鬼辛焼きそば」[写真拡大]

 エースコックの新商品、「EDGE 鬼辛焼きそば」がいろいろな意味で驚きだ。

 この新商品、その名の通りスパイスたっぷりの激辛焼きそばなのだが、驚くべきなのはそこだけではない。食品が時代のニーズに応え私たちを楽しませてくれる、それはもう食を通したエンターテイメント作品なのである。

◆驚きの発売経緯
 エースコックが発表したプレスリリースによれば「現在、激辛メニューやメガ盛フード、ありえない組み合わせの食品が注目を集めています。また、SNSでの情報発信を目的に、それらを購入する新しい消費行動「ネタ消費」も話題となっています。そのような消費行動に着目し、消費者の「驚きニーズ」を満たす商品を開発いたしました。」だそうだ。

 そう、美味しいから発売するのではなく、「ネタ消費」という層のニーズに応えるための商品なのだ!

 カップ麺業界の新商品というと、開発部がスープやかやくの研究を重ね提案した商品が次々とダメ出しに遭い、試行錯誤を繰り返しやっと社長OKが出て見事発売・・・というイメージがあるのはきっと私だけではないはず。

 しかし、この商品はきっとそうではない。斬新な企画会議から生まれ、スープと麺のバランスではなく、「面白さ」と「やりすぎ感」、そして自社ブランドの名に恥じない味とのバランスにこそ心血を注いだのではないだろうか。

◆明確すぎるターゲット層
 そしてこの商品、SNSでエースコックが言うところの「ネタ消費」活動をしている人という、一歩踏み込んだところまでターゲットを明確化している。しかもそれが、「オフィスでOLが食べても可愛く見えるカップ麺」といった、消費活動のシーンや条件に関わるものではなく、食とは一見関係なさそうなSNSというネットワーク上の活動を想定しているのである。ターゲットを明確に絞った結果、流石はエースコック。より「ネタ消費」を起こしてもらうための商品というコンセプトを実現している。

◆こだわりの商品パッケージ
 まずはそのパッケージ。商品のコンセプトが一目でわかるような激辛パウダーが振り注がれる焼きそばのイメージ画像、そして商品名よりもデカデカと目立つのが、この商品コピーだ。

「カップ焼きそばに激辛スパイスを入れすぎた件」―

 この「○○○した件」という表現、読者ならお分かりだろうがもう完全にインターネット上での拡散を意識している。ネットで拡散された際、この画像1つあれば内容をブレることなく伝えることができそうだ。なんともまぁ、件名がついたカップ麺とは新しい。

◆気になるそのお味は?
 さて次に肝心の味である。SNS等で話題にして欲しいということだけあり、そりゃもうめちゃくちゃ辛い。少量でも辛く感じるスパイスが麺と大量に絡み合い、食べた瞬間から舌を刺激してくるのだ。

 しかし、そこはやはり多くのカップ麺を世の中に生み出してきたエースコック。ただ唐辛子を大量にぶち込んだというわけではなく、辛さと同時に魚粉のコクがしっかりと感じられる旨み成分が口いっぱいに広がるのだ。

 そしてシャキシャキ食感のキャベツ。このキャベツのせいで、一瞬口の中がまろやかになったような気がして永遠とて麺を口に運んでしまうという罠まで張っている。辛すぎると思いきや口に充満する旨みの奥深さ、そこにやってくるキャベツの歯ごたえ・・・。

 ネタのつもりで買ってみて深みにハマっていく人が多発しそうな気がする。これからの季節を思うと、缶ビールと一緒に食して汗をかいてスッキリしたくなりそうだ。(記事:谷津沙夏・記事一覧を見る

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