【アナリスト水田雅展の銘柄分析】東京個別は利益確定売りが一巡、好業績を評価して上値試す

2014年4月18日 09:06

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  東京個別指導学院 <4745> の株価は、4月1日と2日に付けた高値から利益確定売りや全般地合い悪化の影響で急反落したが、足元では切り返しの動きを強めている。目先的な利益確定売りが一巡したようだ。好業績を評価して上値を試す展開だろう。

  ベネッセコーポレーション <9783> グループで、小中高校生向けの個別指導学習塾を展開している。前期(14年2月期)末の教室数は首都圏158教室、関西地区37教室、東海地区8教室、九州地区5教室の合計208教室である。

  4月9日に発表した前期(14年2月期)の業績(非連結)は売上高が前々期比10.0%増の143億22百万円、営業利益が同77.5%増の12億72百万円、経常利益が同76.6%増の12億77百万円、そして純利益が同2.1倍の7億37百万円だった。

  初のテレビCM実施、Webマーケティングの積極的活用、ベネッセコーポレーションとの販売連携の強化、自社コールセンターの品質強化、7教室の新規開校、顧客の利便性や収益性の改善を目指した教室移転・リニューアル・増床、iPadを活用した映像学習の全教室導入、目的別・学力別・性格別完全オーダーメイド個別指導の強化などの効果で、新規入会者・在籍生徒数が想定以上に高水準で推移した。夏、冬、春の講習会も好調だった。コストの効率化や適正化も寄与して大幅増益となった。小中高校生合計の期中平均在籍人数は同8.6%増の2万3790人だった。

  今期(15年2月期)の業績(非連結)見通しは売上高が前期比10.1%増の157億72百万円、営業利益が同25.9%増の16億02百万円、経常利益が同25.6%増の16億05百万円、純利益が同23.4%増の9億10百万円、そして配当予想は同2円増配の年間8円(第2四半期末4円、期末4円)としている。新規開校は7教室の計画で、14年4月に開始した通信教育と個別指導の連携で自学自習を育む新サービス「進研ゼミ個別サポート教室」の全教室での実施、14年4月にベネッセコーポレーションから譲り受けた「Benesseサイエンス教室」「Benesse文章表現教室」も寄与して増収増益見込みだ。

  なお4月9日には、13年10月に発表した中期経営計画「Shining☆2015」のローリングプランを発表した。前期実績が計画を上回ったことなどを考慮して売上高目標を上方修正し、16年2月期の売上高169億円以上(修正前は163億円以上)、営業利益23億円以上、教室数219教室、生徒数(4月末)2万4500人以上とした。

  株価の動きを見ると、年初の240円~250円近辺から水準切り上げの展開となり、13年1月の288円を一気に突破して、4月1日と4月2日に付けた高値471円まで上伸した。その後は利益確定売りや全般地合い悪化の影響などで急反落し、4月11日の356円まで調整した。しかし足元では切り返しの動きを強めている。目先的な利益確定売りが一巡したようだ。

  4月17日の終値387円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想EPS16円77銭で算出)は23倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間8円で算出)は2.1%近辺、実績PBR(前期実績BPS128円21銭で算出)は3.0倍近辺である。週足チャートで見ると急反落して大陰線を引いたが、13週移動平均線近辺で下げ渋りの動きを強めている。サポートラインを確認した形であり、切り返しの展開となりそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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