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新作映画、10年で2倍に 観客数は横ばいで競争激化
昨年、トップの興行成績を収めた映画は『風立ちぬ』。120億円の興行収入で、邦画・洋画を合わせた中で唯一、100億円越えの大ヒットとなった。2位は『モンスターズ・ユニバーシティ』で89億円。普段あまり映画は見ないが、『風立ちぬ』は劇場で見た、という人も多いだろう。
この十数年で、日本の映画と映画館をめぐる状況は大きく変わった。年間あたりの新作公開本数は、00年の644本から、13年には1117本に。10年あまりの間に、約2倍と大きく増加した。1日3本の新作映画が公開されている計算だ。
映画館の数も増えた。日本映画製作者連盟によると、映画館のスクリーン数は最新のデータで3318。90年代後半以降、1施設に5スクリーン以上をもつシネコンが数多く開業した影響で、大幅に増加している。シネコンの数は、この13年で2.5倍になった。スクリーン数が増えたので、公開本数の増加にも対応できている。
一方で、映画業界全体の売上はそれほど増えていない。昨年の延べ入場者数は1億5000万人で、10年前と比べて横ばい。ここ2~3年はむしろ減少傾向にある。興行収入もいまひとつだ。00年には1708億円だったが、13年は1942億円と微増にとどまっており、1人あたりの入場料金が上昇する傾向もない。
現状は、映画館へ足を運ぶ人はそれほど増えていないどころか少しずつ減っているのに、公開本数とスクリーン数だけが増加の一途をたどっている。特にここ数年、新作映画の公開本数は著しく増加しており、競争が激化。メガヒット作とそれ以外の大多数への二極化が進んでいる。
特に邦画は競争が激しい。10年前は公開される映画の7割が洋画だったが、今では邦画が6割と増えた。市場は盛り上がっているが、興行収入の上位は『風立ちぬ』『ONE PIECE』『ドラえもん』『名探偵コナン』などのアニメーション作品が独占。その他は観客数があまり伸びず、厳しい状況だ。(編集担当:北条かや)
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