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ニューヨーク在住のデイヴィッド・ゴードン氏は、本国アメリカよりも日本で有名になった珍しい作家である。氏がその「不思議な」体験について語っている。
ゴードン氏は2010年にミステリー小説『The Serialist』をアメリカで出版。売上はデビュー作としては悪くなかったものの生活が変わるほどではなかった。しかし、翻訳出版された日本で有名作家になったと、ニューヨーク・タイムズ紙に自身が寄稿したエッセイで述べている。
【日本のミステリー賞3冠を達成】
同作品は日本では『二流小説家』というタイトルで出版され、売れない作家が死刑囚である連続殺人犯から告白本の執筆依頼を受けるところからストーリーが始まる。ニューヨークを舞台にしたこの作品が日本で成功するとはまったく予想もしなかったと、パブリック・ラジオ・インターナショナルのインタビューでゴードン氏は語っている。だが、作品は日本の3つのミステリー賞で1位を獲得し、それが史上初の快挙だったことが日本の出版界で話題となった。
【日本での思いがけないセレブ体験】
そして2013年に日本で映画化されたことで、ゴードン氏はさらなる思いがけない体験をすることになる。映画化にあたり、登場人物は日本人に置き換えられ、舞台は東京に設定されて製作された。映画の完成披露試写会のため東京に招かれたゴードン氏は、有名作家として多忙なスケジュールをこなしたという。ジェームズ・ボンドが宿泊しそうな豪華ホテルを用意されたゴードン氏は、日本の俳優陣にまじって舞台挨拶をし、テレビや雑誌の取材を受け、書店でサイン会を行ったと、エッセイで振り返っている。
【アメリカに戻れば、ごく普通の生活】
日本から帰国したゴードン氏のアメリカでの生活は、それまでと変わりないという。自分が日本で有名な作家だとは誰も知らないし、学校で教える仕事も持っており、スーパースターではないと、ラジオのインタビューで語っている。アメリカでの日常に満足しているが、時折、あの日本の「二流小説家のデイヴィッドさん」に思いを馳せていると、ニューヨーク・タイムズ紙で綴っている。
【日本で突出した人気のワケは?】
何故、『二流小説家』はアメリカ本国よりも日本で人気となったのだろうか?ゴードン氏自身もはっきりとした理由はわからないという。ニューヨーク・タイムズ紙で、ゴードン氏は日本の文化、映画、本、芸術のファンであると明かしているが、作品には影響していないと述べている。それでも、ゴードン氏の日本文化への憧れや興味が知らず知らずのうちに作品の中に溶け込み、偶然の一致や意外な親和性が生まれ、それが日本の読者に響いた、というのは考え過ぎだろうか。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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