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NYの視点:米10年債利回りはTAPER前の水準
*07:03JST NYの視点:米10年債利回りはTAPER前の水準
大半のエコノミストは低調な米12月雇用統計を受けて米連邦準備制度理事会(FRB)が政策の方向転換を図ることはないと見ている。景気が回復しているとの判断に基づき、米FRBは12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で米国債やMBS(住宅ローン担保証券)の購入を各月850億ドル規模から750億ドル規模に100億ドル減額することを決定。
2014年度の投票権を有さないラッカー米リッチモンド地区連銀総裁は雇用統計を受けて、「米国の雇用がかなり安定して増加基調にあり、ひと月の雇用統計に過剰に反応することは賢明でない」との見解を示し、米連邦公開市場委員会(FOMC)は計画通り1月の会合で100億ドル規模のQE縮小を協議すると予想している。
やはり2014年度の投票権を有しないロックハート・アトランタ連銀総裁もひとつきの雇用統計に過剰に反応することに対して警告。ただ、「労働市場は失業率が示すほど健全ではない」と述べ、利上げの目安となるフォワードガイダンスにおける雇用規準に質的な状況を示す規準を追加導入することを推奨した。米12月雇用統計で失業率は6.7%と、2008年10月以来で最低となった。しかし、原因は、労働参加率が62.8%と11月の63%から低下し過去36年間で最低となったこと、政府が実施していた臨時失業保険給付延長策の失効などが挙げられている。
バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が13年5月に異例な緩和策の出口戦略に関するロードマップを提示した際とは打って変わり米連邦準備制度理事会(FRB)が量的緩和第3弾(QE3)を縮小する方針を発表したのちも米国債券相場は狭いレンジでの動きに終始している。10年債利回りは3%以下でFRBが12月のFOMCで量的緩和(QE)縮小を発表する以前の水準にまで低下した。長期金利が急伸しないことは、市場がバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が再三にわたり強調してきた「「tapering=資産購入の縮小」は「tightening=引き締め」ではない」を織り込んでいる証拠となり、FRBにとって最も好ましい展開となる。FRBがこのペースでのQE縮小を継続しても市場に混乱を与えることはなさそうだ。《KO》
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