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ドラギECB総裁が緩和維持で鼻息荒い、インフレ下振れリスクを意識も
記事提供元:フィスコ
*09:32JST ドラギECB総裁が緩和維持で鼻息荒い、インフレ下振れリスクを意識も
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は9日、政策会合後の記者会見で、「政策委員会は緩和的な金融政策姿勢を必要な限り維持することを“強く強調する”」と述べました。
これはECBがフォワードガイダンスを強化した格好で、NY時間の外国為替市場ではユーロがドルに対して約1カ月ぶりの安値を付ける場面がありました。
「欧州債務危機」という言葉は過去のものになりつつあり、アイルランドやポルトガルは債券市場への復帰を果たしました。ただ、ドラギ総裁が頑として“危機収束”の宣言を拒否する背景にはユーロ圏成長率の勢いのなさ、12.1%という高失業率、さらには米量的金融緩和の縮小に伴う金利上昇圧力への警戒感などが挙げられます。
また、足元のユーロ圏の景気改善は輸出回復に主導された側面が強く、これが内需に浸透するまでは回復宣言を出したくないという意図もあるでしょう。
こうした中、シティグループは「インフレがさらに鈍化し、短期市場金利が高止まりする」恐れに言及。この結果、ECBがまもなく行動を迫られる可能性があると警告しました。
シティはECBが追加利下げするほか、2014年6月までには中銀預金金利がマイナス圏に突入すると予想。また、ドラギ総裁が今回の会見で語気を強めた点について、インフレ下振れリスクを市場に意識させることにつながるとも指摘しています。
(フィスコ・リサーチ・レポーター)《RS》
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