【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ユーグレナは戻り一服の展開だが押し目買い好機、食品分野の事業展開加速に評価余地

2013年12月16日 09:37

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  ユーグレナ <2931> (東マ)に注目したい。足元は戻り一服の展開となっているが、公募増資を嫌気した売りは一巡している。食品分野の事業展開加速に評価余地があり、押し目買いの好機だろう。

  植物と動物の両方の性質を持ち合わせて59種類の豊富な栄養素を有する微細藻類ユーグレナ(和名ミドリムシ)を、05年12月沖縄県石垣島で食品として屋外大量培養することに世界で初めて成功した。ユーグレナの食品用途屋外大量培養技術をコア技術として、バイオ燃料など関連分野への研究開発も進めている。13年3月にユーグレナの粉末受託生産と微細藻類クロレラの食品向け生産を手掛ける八重山殖産、13年11月に奈良先端科学技術大学院大学発のバイオベンチャーである植物ハイテック研究所を子会社化した。

  基本戦略は「豊かな太陽に恵まれた石垣島ですくすく育つユーグレナ」というイメージ戦略を強化するとともに、屋外大量培養技術をベースとして「Food=食料」「Fiber=繊維」「Feed=飼料」「Fertilizer=肥料」「Fuel=燃料」の順に、重量単価(kg当たり売価)の高い分野から順次参入する「バイオマスの5F」としている。

  ユーグレナを活用した機能性食品や化粧品を製造販売するヘルスケア事業(OEM供給、自社ECサイト・自社ブランド「ユーグレナ・ファーム」での直販、八重山食品のクロレラの食品向け販売)で安定的なキャッシュフローを創出しながら、将来収益の獲得に向けてエネルギー・環境事業(ユーグレナを活用したバイオ燃料開発など)への投資を進めている。ユーグレナを活用した多角的な事業展開を目指す戦略だ。

  11月に発表した中期経営計画では、ユーグレナの食品国内市場を18年までに300億円規模(13年76億円)に拡大し、国内ヘルスケア事業の18年売上高150億円、営業利益30億円以上を目指すとした。海外も地域・文化ごとの戦略的パートナーとの連携で18年市場規模300億円を目指す。エネルギー・環境事業のバイオジェット燃料生産に関しては、18年の低コスト生産技術確立と20年の実用化を目指す。

  今期(14年9月期)連結業績見通しは売上高が前期比48.8%増の31億13百万円、営業利益が同横ばいの1億76百万円、経常利益が同9.0%減の2億40百万円、純利益が同70.1%減の1億44百万円としている。収益性の高い自社サイト直販が大幅増収基調であり、OEM供給も拡大する。ただし大幅増収に伴う売上総利益の増加分をすべて、中期成長に向けた先行投資として広告宣伝費や研究開発費に充当する方針だ。純利益は負ののれん発生益一巡が影響する。

  自社ECサイトの購入者数(定期購入者数と一般購入者数の合計)は、12年9月単月の1746人から13年9月単月で9362人、そして13年10月単月では広告宣伝の集中投下も寄与して1万4307人に急増している。一般購入者の定期購入化も進展しており、ストック型安定収益源としての基盤強化が着実に進展しているようだ。

  そして中期経営計画に基づいて食品分野の事業展開を加速させている。12月3日にはユーグレナが中国の「新食品原料」登録を取得(11月26日付)したと発表した。これによって中国全土でユーグレナを使用した食品の販売が可能になり、資本提携先の伊藤忠商事 <8001> と連携して販売する。さらに12月20日にはミドリムシ入り高付加価値「ユーグレナ・ファームのドッグフード」でペット用食分野への参入を発表した。イオン <8267> グループのペットショップ「pecos幕張新都心店」および1月下旬からは自社ECサイトでも販売する。

  なお11月18日発表の新株式発行・売出しで資金調達した。中期成長に向けた研究開発・設備投資、M&A、八重山殖産の借入金返済、広告宣伝費などに充当する。そして12月3日には産活法に基づく資源生産性革新計画の認定を取得した。これによって新株式発行に伴い増加する資本金に関する登録免許税が軽減される。

  株価の動きを見ると、12月3日には中国での「新食品原料」登録取得を好感して前日比251円(17.66%)高の1673円まで急伸する場面があった。足元は戻り一服の展開だが、新興市場全体のやや軟調な地合いも影響しているだろう。概ね1400円台で推移しており、公募増資価格1370円を割り込む動きは見られない。12月13日の終値は1400円だった。週足チャートで見ると26週移動平均線近辺で下げ渋る展開だ。押し目買いの好機だろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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