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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】巴工業は調整一巡して出直り態勢、収益改善や低PBRに見直し余地
化学機械メーカーの巴工業 <6309> の株価は、調整が一巡して出直り態勢のようだ。設備投資需要回復に伴う収益改善に加えて、低PBRにも見直し余地があるだろう。
遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を2本柱としている。中国ではコンパウンド加工事業も展開し、13年11月には中国の連結子会社・星科工程塑料が収益立て直しに向けて、テクノポリマーおよび日本カラリングとの間の資本・業務提携を解消し、テクノポリマーおよび日本カラリングの出資持分をすべて譲り受けた。
12月12日発表の前期(13年10月期)連結業績は、売上高が前々期比8.2%減の381億76百万円、営業利益が同38.1%減の15億16百万円、経常利益が同35.5%減の16億80百万円、純利益が同48.0%減の8億41百万円だった。配当については年間45円(期末一括)で前々期比5円増配とした。
セグメント別に見ると、機械製造販売事業は売上高が同24.4%減の93億16百万円、営業利益が同59.1%減の5億27百万円だった。国内の官需、北米の遠心分離機械、中国の砥粒回収装置などの受注が低調だった。化学工業製品販売事業は売上高が同1.3%減の288億59百万円、営業利益が同14.6%減の9億88百万円だった。汎用樹脂、半導体製造用各種セラミックス・金属材料などの需要が低調だった。中国でのコンパウンド事業の不振も利益を圧迫した。
今期(14年10月期)見通しは売上高が前期比8.2%増の413億円、営業利益が同27.3%増の19億30百万円、経常利益が同22.0%増の20億50百万円、純利益が同42.7%増の12億円としている。機械製造販売事業は北南米の石油化学分野への販路拡大などで同29.9%増収、化学工業製品販売事業は東南アジアでの新規開拓などで同1.2%増収の計画だ。設備投資需要の回復で収益改善が期待されるだろう。なお配当については、年間ベースでは45円(第2四半期末22円50銭、期末22円50銭)で前期と同額だが、第2四半期末に中間配当を実施する。
株価の動きを見ると、戻り高値圏の1700円近辺から反落してやや軟調展開となり、11月以降は概ね1500円~1550円近辺で推移していたが、12月6日の1496円をボトムに反発した。12月13日には前日比41円(2.63%)高の1600円まで戻す場面があった。今期好業績見通しも好感して、調整が一巡したようだ。
12月13日の終値1580円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS120円26銭で算出)は13~14倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間45円で算出)は2.9%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS2340円34銭で算出)は0.7倍近辺である。日足チャートで見ると戻りを押さえていた75日移動平均線を突破した。また週足チャートで見ると26週移動平均線を突破する動きを強めている。調整が一巡して出直り態勢のようだ。依然として低PBRにも見直し余地があるだろう。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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