【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】高齢者は肥満対策よりも痩せすぎに注意を

2013年12月11日 12:40

印刷

記事提供元:日本インタビュ新聞社

■血液中アルブミン値が4.0g/dl以上の高齢の方は、健康寿命

  医学的には高齢者の定義は、70歳以上とされています。年齢と共に、ストレスへの適応障害・進行性の全身機能低下(心蔵,肺,肝蔵,腎蔵など)・病気にかかる率の増加が顕著になります。しかし、個人差が大きいのも事実で、70歳以上の方々では医学的な評価だけでなく社会的や経済的な自立も含めた総合的機能評価が必要です。

  何歳でもこの総合的機能を維持するのが、サクセスフル・エイジングの達成です。この達成には、「ダイエットが重要」と述べてきました。しかし、高齢者の方々では、ダイエットが危険の場合もあります。体重は加齢とともに増加しますが、70歳頃から安定または減少し始めますので、当然必要カロリー量は減少してきます。『高齢者では食事量を少なく、痩せなければならない』との行き過ぎた減量は、低栄養に陥ってしまいます。私の外来でも、痩せすぎの高齢者の方は体全体の予備能力が低下しており、軽い風邪から重症肺炎に陥ることもあります。

  70歳以上の方で肥満が軽度から中等度では身体への悪影響は不明で、一概に肥満が悪いとは言えません。70歳からの健康長寿に大切なのは、肥満の解消も大切ですが低栄養の改善も非常に重要です。先進国の長寿者のデータからも、『栄養不良に陥らない程度にカロリー制限を行った場合に最も長寿になる』ことが報告されています。栄養指標の1つである血液中アルブミン値が4.0g/dl以上の高齢の方は、健康寿命が長いことも報告されています。高齢の方の減量は、高血圧や高脂血症などの顕著な改善が期待できる場合にお勧めします。忘年会や新年会などお付き合いの多い時期ですが、血糖・コレステロール・血圧などを総合的に判断して自分自身の特性に合わせた体重管理に努めたいものです。(自衛隊中央病院消化器内科部長・箱崎幸也)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

【関連記事・情報】
【編集長の視点】じげんはKDDIとの提携をテコに直近IPO人気を膨らませて急続伸(2013/12/04)
【じっくり投資コーナー】日本ファルコムは上場10周年で業績がいっそう好調、株価見直しへ(2013/12/05)

※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

関連記事