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日本の経済成長率4%から1.1%へ鈍化 海外紙は公共事業頼みの危険性を指摘
内閣府は9日、7‐9月期の国内総生産(GDP)改定値は物価変動の影響を除いた実質で、前期比年率1.1%増と、速報値1.9%増から下方修正した。日銀の超金融緩和策にかかわらず、純輸出は前期比で0.6%減となり、個人消費は0.1%増、設備投資は0.2%増にとどまった
また財務省は同日、10月の国際収支を発表。貿易赤字が拡大したため、経常収支は1279億円の赤字とした。同省によると、1月以来初の赤字という。
エコノミストからは「アベノミクスの第1の矢の勢いが落ち、第2の矢頼みの成長となっている」などの声が上がっている。
アメリカなどの発展国を上回り4%前後成長した今年前半から、急激な鈍化となった。先だって発表されたアメリカの同期実質GDP成長率は改定値で3.6%と上方修正されている。
【4月施行の消費税増税を控え、アベノミクスに逆風】
景気回復の流れを維持するため、輸出と設備投資の回復を重視している日本政府と日本銀行にとって鈍化は懸念だとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じた。
同紙は、「設備投資の下方修正が改定値を押し下げた」とするアール・ビー・エス証券会社東京支店チーフ・エコノミスト・ジャパンの西岡純子氏の見解を掲載。また、円の下落や新興国市場の経済減速も鈍化の原因として挙げた。ただ、西岡氏は「10‐12月期の設備投資は回復する」と予測しているという。
ブルームバーグは今後について、10‐12月期は前期比年率3.6%増、1‐3月期は4.8%増、4月の増税後は4.5%増に縮小すると予想している。
【公共事業ブームは1990年代の「失われた10年」のデジャブ】
一方ニューヨーク・タイムズ紙は、公共事業ブームは失敗した1990年代への後戻りだと指摘した。公共事業はこの10年で最高レベルとなっており、今年4‐6月期には4兆円を支出した。
同紙は公共事業契約が6ヶ月連続で上昇している佐賀県の事例を取り上げ、「仕事は多いが再び拡大し始めるのは危険過ぎる。政府はとても気まぐれ」という同県の建設会社、岸本組の岸本剛社長のコメントを掲載した。
民主党時代に公共事業費は大幅に削減され、2012年までに1998年のピークの3分に1に減少し、地域経済は急落した。その後、自民党が復権し、緊急経済対策として公共事業を中心に10兆円を投入。さらに先週、消費税増税の影響を緩和するため18.6兆円の経済対策を決定し、公共事業などへ5.5兆円を投入した。
しかし「インフラプロジェクトに資金を注入しても、長期的な日本の成長押し上げには余り役に立たない」「日本の回復は危険なほど大規模な公共事業費に依存している」とのエコノミストらの警告を同紙は掲載した。
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※この記事はNewSphereより提供を受けて配信しています。
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